タグ

ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (12)

  • ソロー「サービス部門の生産性の研究は立ち遅れている」 - himaginary’s diary

    昨日冒頭部分を紹介したマッキンゼーのソローインタビューから、残りの部分の概要をまとめてみる。 世界で最も優れた経営を行っている先導的な企業と競争することは、自分の経営を優れたものとするだけでなく、規模の経済を得ることにもつながる。というのは、世界的な優れた経営というのは、国際市場を必要とするものだからである。 経済学では、企業は利益を追求するのだから自然と最善の経営手法を採用するものと考えていたが、それは間違っていた。 そうしたミクロのセクターレベルの観点は、産業組織論や比較優位論ならびに比較優位と生産性の関係の研究において現在の経済学に部分的に包摂されている。 MGIのセクターレベルのアプローチが有望な研究分野は、サービス部門の生産性の研究。 そもそもサービス部門内、およびサービス部門と財生産部門を比較した相対的な資集約度についても我々は良く分かっていない。 サービス部門の資集約度は

    ソロー「サービス部門の生産性の研究は立ち遅れている」 - himaginary’s diary
  • シカゴ学派が忘れたもの - himaginary’s diary

    以前一部を紹介したニューヨーカー誌のジョン・キャシディのシカゴ経済学者への一連のインタビューから、ジェームズ・ヘックマンの話をこちらのブログが改めて引用している(H/T ノアピニオン氏)。 以下はその引用部の冒頭(イタリック体はインタビュアー)。 What about the rational-expectations hypothesis, the other big theory associated with modern Chicago? How does that stack up now? I could tell you a story about my friend and colleague Milton Friedman. In the nineteen-seventies, we were sitting in the Ph.D. oral examination o

    シカゴ学派が忘れたもの - himaginary’s diary
  • 職業経験が“深く狭い”よりも“広く浅い”方が起業に有利 - himaginary’s diary

    という主旨の論文をUDADISIが紹介している。論文のタイトルは「Where do entrepreneurial skills come from?」で、著者はMichael Stuetzera、Martin Obschonkac、Per Davidssonb、Eva Schmitt-Rodermundcというドイツの4人の研究者。 以下はその要旨。 Applying Lazear’s jack-of-all-trades theory we investigate the formation of entrepreneurial skills in two datasets on innovative new firms. Our results suggest that traditional human capital indicators individually have li

    職業経験が“深く狭い”よりも“広く浅い”方が起業に有利 - himaginary’s diary
  • 日本の金融システムはクライアント=サーバ型? - himaginary’s diary

    Mostly Economicsが日米英独の金融システムをコンピュータネットワークに喩えた論文を紹介している(論文のタイトルは「Networks and History’s Generalizations: Comparing the Financial Systems of Germany, Japan, Great Britain, and the United States of America.」で、著者はNYU教授のRichard Syllaとデブライ大学准教授(執筆当時)のRobert E. Wright)。 以下はそこからの引用。 The relative autonomy of Japanese firms (clients) vis-à-vis their banks (servers) suggests that the proper analogy for the J

    日本の金融システムはクライアント=サーバ型? - himaginary’s diary
    taninsw
    taninsw 2013/01/06
    えっ
  • なぜ米国人は暴動を起こさなくなったのか? - himaginary’s diary

    というテーマに関するが最近出たらしい。 Why Don't American Cities Burn? (City in the Twenty-first Century) 作者: Michael B. Katz出版社/メーカー: Univ of Pennsylvania Pr発売日: 2011/11/30メディア: ハードカバー クリック: 17回この商品を含むブログを見る こちらの記事では、その内容を簡単に紹介している(タイラー・コーエン経由)。 最近のアテネ、昨夏のロンドンや中国、2005年のパリなど、世界の各地域で暴動は起きている。人々の疎外や失業や警察への不信といった問題は米国でも共通しているが、最近の米国ではそういった暴動は起きていない(オキュパイ運動も暴動には発展しなかった)。 上記のの著者であるペンシルベニア大学の歴史家Michael Katzによると、その理由は以下の

    なぜ米国人は暴動を起こさなくなったのか? - himaginary’s diary
  • 金融経済学の現状を一枚のベン図で表わすと… - himaginary’s diary

    以下のようになる、とこの論文に書かれている(Mostly Economics経由)。 ここではまず、金融経済学を金融理論、金融政策、財政の3つのエリアに分け、それぞれをベン図の円で示している。番号として金融理論に1、金融政策に2、財政に3を割り振ったのは恣意的だが、各円内の付番(金融理論で言えば1.1、1.2、1.3、…)は、時系列順を意識しているとの由。 3つの領域が重なるところに位置するのは、金融理論発ではフリードマン・ルールやMIU/CIAであり、金融政策発ではインフレ目標である。 さらに横には6つの長方形があるが、これらはいずれも3つの円すべてに関わりがある最新の研究テーマを表わしているという。 この図は網羅的なものでも最終的なものでもないが、このように総合的に捉えることによって理解が深まるのではないか、と論文の著者たちは述べている。

    金融経済学の現状を一枚のベン図で表わすと… - himaginary’s diary
  • 経済学は戦術を提示するのであって戦略を提示するのではない - himaginary’s diary

    とEdward L. GlaeserがEconomixに書いている(原題は「Economics Offers Tactics, Not Strategy」)。 ここでGlaeserがテーマとして取り上げているのは財政問題だが、彼によると、財政には以下の2つの側面があるという。 広範な国家的優先順位 例: 軍事と医療と教育のどの支出を優先するか 富裕層と中流階級のどちらに課税負担を掛けるか その優先順位に従った政策実施のための仕組み 例: 医療支出についてバウチャー、租税補助金、直接支給のどの方法を取るか 富裕層に対し所得税と相続税のどちらを掛けるか 前者の優先順位の決定に際しては経済学の出る幕は無い、とGlaeserは言う。それは政治や哲学の問題であり、経済学の出番はあくまでもそうした優先順位が決定された後のこと、と彼は主張する。 また、経済学の戦術としての有用性については、彼は以下の2つ

    経済学は戦術を提示するのであって戦略を提示するのではない - himaginary’s diary
  • もしも電子に感情があったなら… - himaginary’s diary

    物理学はどんなにか難しかっただろうか、とかつてファインマンが述べたという(「Imagine how much harder physics would be if electrons had feelings!」)。 この言葉は、アンドリュー・ロー(Andrew Lo)とマーク・ミュラー(Mark Mueller)が書いた論文「WARNING: Physics Envy May Be Hazardous To Your Wealth!」の冒頭に引用されている*1。(イースタリーの10/28Aidwatcherエントリ経由*2)。 ロー=ミュラーの論文では、経済学の「物理学への羨望(Physics Envy)」がサミュエルソンの研究を嚆矢とする一連の発展をもたらした一方で、数学モデルへの過度の信頼をも生み出し、今回の金融危機の一因になった、と述べている。そのため、経済学、とりわけファイナンス

    もしも電子に感情があったなら… - himaginary’s diary
  • 世界の頭脳が集まるところ - himaginary’s diary

    を地図化した記事がThe Atlanticに掲載されていた(原題は「Where the World's Brains Are」;Economix経由)。書いたのはリチャード・フロリダ(Richard Florida)で、同氏率いるCreative Class Group社のサイトにもクロスポストされている。 以下がその地図。 また、記事文には1位から24位までの都市(圏)が記述されているが、そのランキングは以下の通り。アジアでは東京が辛うじて24位に滑り込んでいる。 ボストン=ケンブリッジ ロサンゼルス ニューヨーク サンフランシスコ ロンドン シカゴ パリ チューリッヒ サンノゼ=シリコンバレー ケンブリッジ(英国) ダーラム=チャペルヒル ミュンヘン ピッツバーグ トレントン=セントラルニュージャージー ストックホルム オックスフォード ニューヘイブン イサカ サンディエゴ フィラデ

    世界の頭脳が集まるところ - himaginary’s diary
  • インタゲが最善の策というのは気の触れていない経済学者の総意 - himaginary’s diary

    何だか2chのスレタイ風のタイトルになってしまったが、マイケル・J・ロバーツというノースカロライナ州立大学准教授がそう書いている(Economist's View経由)。 以下はその抄録。 So now Krugman says inflation targeting is the first-best solution to our economic problems. This is consistent with everything he wrote about Japan over a decade ago, and also consistent with a wide majority of non-crazy macro economists across the political spectrum. So why on earth has he not said thi

    インタゲが最善の策というのは気の触れていない経済学者の総意 - himaginary’s diary
  • ニッポンの医療保険は(Wow×4)米国が羨む(Yeah×4) - himaginary’s diary

    ちょうど10年前の今日に発売されたこの曲のフレーズをもじったタイトルにしてみたが*1、ディーン・ベーカーが9/7のブログエントリで、同日のワシントンポストの記事を引きながら、日の医療保険制度を称賛している。 ベーカーが特に気に入ったのは、記事中の池上直己・慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授の以下の言葉。 "more than one-third of the workers' premiums are used to transfer wealth from the young, healthy and rich to the old, unhealthy and poor." (拙訳) 「雇用者の保険料の三分の一以上が、若くて健康で金持ちの人から、高齢で病気がちで貧しい人への所得移転に使われている」 これについてベーカーは以下のように評する。 That's a striking

    ニッポンの医療保険は(Wow×4)米国が羨む(Yeah×4) - himaginary’s diary
  • 経済学者とブログ - himaginaryの日記

    night_in_tunisaさんが紹介したNick Roweの最新ブログエントリが大変面白い。そのエントリでRoweは、以下のようなことを書いている。 2008年7月以降サバティカルに入ったが、その後金融危機が訪れた。それ以降、1日に何時間も経済や金融のブログを読んで過ごしている。というのは、マクロ経済学者としては金融危機について知らないふりはできないが、その日々変化する状況を理解する上において、速報性の面でブログにかなうメディアは無いためである。 Stephen Gordon(Roweがエントリを書いている共同ブログ=「Worthwhile Canadian Initiative」の開設者)のお蔭で自分もブログを書くようになったが、それによって経済学について真剣に――それほど真剣に考えたのは大学院以来というほど――考えるようになった。 自分と考え方の異なる経済学者や非経済学者から学び、

    経済学者とブログ - himaginaryの日記
    taninsw
    taninsw 2009/02/22
  • 1