がんを作り出すと考えられている細胞「がん幹細胞」を直接攻撃し、がんによる死亡の大きな原因となっている「再発」を防ぐ新薬を実用化しようと、大阪の製薬会社が近く臨床試験の申請を行うことが分かりました。 新薬が誕生すれば、がん幹細胞をターゲットにした世界初の薬になるということです。 大阪・中央区の大日本住友製薬は、大腸がんのがん幹細胞をターゲットにした新薬の開発を北米で進めていて、日本でも新薬の承認を目指し、ことし3月末までに厚生労働省に臨床試験の申請を行うことが分かりました。 「がん幹細胞」は、この十数年ほどの間に大腸がんのほか、乳がんや肝臓がん、胃がんなどで次々と報告されていて、抗がん剤や放射線治療が効きにくいなどの特徴から再発を引き起こし、がんによる死亡の大きな原因になっているとされています。 今回の新薬は、がん幹細胞に特有のタンパク質の働きを止め、細胞を死滅させる効果があるということで、