いまでは当たり前のように思う人も多いと思いますが、当時はプロの音楽家のなかにもロックには英語しかあわないと考える人も多かった。内田裕也さんなんかがその代表で、デビュー直後くらいに座談会に呼び出されて、けちょんけちょんに批判された。向こうは30過ぎで、すでに実績もある音楽業界のボス。こっちは20歳くらいの若僧ですよ。お前らが音楽雑誌で1位になったのが気に入らないとか言って。「日本語ロック論争」なんて言われていたけど、論争でもなんでもないただの吊し上げ(笑)。ずいぶんと大人げないことをしていたんです。 でも、いまは日本語でロックを歌うのが当たり前になっている。僕らは、「日本の音楽を変える」と予告して、そのとおりのホームランを打った。アンチの人がなにを言おうと、「君たち、僕らの風呂敷の上に乗っているよ」と言いたい。僕ら「はっぴいえんど」は、間違いなく日本の音楽を変えることに成功したんです。 ◆