僕が子供の頃に「大人になったら何になりたい?」と聞かれてよく答えていたのは、古本屋さんだった。理由は、好きな本を読みながら時々お客さんの相手をすればいいので楽そうだから。もちろん決して楽な仕事でないことは大人になって分かったが、当時はイメージだけでそんな風に思っていた。 小・中学生の頃は人並みにアイドルも好きだった。世代的には山口百恵さんらの「花の中三トリオ」などにはまったが、まさか自分がアイドルになるなんて、音楽すら始めていなかった当時は、夢にも思っていなかった。 たま時代はアイドル扱いが嫌だった たまの「イカ天」からのデビューはまさに青天の霹靂で、僕らは突然一種のアイドルに祭り上げられた。少年サンデーの表紙を飾り、テレビのCMに出て、アイドル雑誌でグラビアを飾り、女性週刊誌にゴシップが載り、写真集やカレンダーが発売された。 こうした扱いを受けるのは想定外だったため、僕たちは戸惑っていた
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