四国に初めて特急列車が誕生したのは今から50年前。1972年3月のことだ。NHKのアーカイブスには、国鉄時代の宇和島駅で撮影された特急「しおかぜ」の出発式の映像が残されていた。当時の懐かしい映像に触発され、半世紀もの間、四国を走り続けている特急列車に思いを寄せてみた。 (NHK松山放送局 宇和島支局 山下文子) 1972年3月15日。四国で初めてとなる特急列車が誕生した記念すべき日だ。 それまで四国では「急行」しかなかったが、山陽新幹線が新大阪から岡山まで開業したのにあわせて、高松を発着する特急が運行を開始した。 高松と松山・宇和島を結ぶ特急は「しおかぜ」、高松と高知・中村を結ぶ特急は「南風(なんぷう)」と名付けられた。 使用車両の国鉄キハ181系は、従来型より馬力が上がり、およそ300キロの距離がある宇和島ー高松間をおよそ1時間短縮させた。 輸送力を強化したい国鉄に新しい風が吹いたのであ