娑婆(しゃば、さば、梵: sahā, サハー)は、仏教において、釈迦が衆生を教化するこの世界、すなわちこの世のこと[1]。仏教における三千世界の総称であり、娑婆世界、娑界ともいう[1]。「サハー」には、その意味を表す「忍土(にんど) 」という意訳語もある。忍土とは、「苦しみを耐え忍ぶ場所」という意味である。[2] 仏教用語でない用法としては、第一に人間の世界、この世、俗世間、第二に 刑務所内や軍隊・遊郭などの自由が束縛されている世界に対して、その外の自由な世界を指す[1]。 原語とされる梵: sahāは「大地」を意味する[1]。漢訳では sahā は忍土、忍界、堪忍、堪忍土、娑訶(しゃか)、索訶(さくか)、堪忍(たんにん)、能忍などと訳される[1]。娑婆の原語を梵: sabhāとする場合には、雑会(ぞうえ)と漢訳された[1]。