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ブックマーク / satoshi.blogs.com (11)

  • NTTの株価総額が世界一だった時に、Microsoftに転職した理由

    「6年勤めたNTT退職しました」という記事が、注目を浴びているようですが、この筆者が NTT を辞めた理由が、私が32年前(1986年)に NTT を辞めた理由とあまり変わらないのに、少々驚きました。 私が NTT を辞めた件に関しては、これまで色々なところで話しては来たのですが、まとまって文章にしたことがなかったので、これを機会に書くことにしました。普段ならメルマガ(週刊 Life is beautiful)の読者限定で書くところですが、今回だけは、出来るだけ多くの人に読んで欲しいので、ブログ記事として公開します。 当時、NTTは電電公社から民営化したばかりで、1985年に入社した私は、NTTとしては第1期生でした。大学は、早稲田の理工学部電子通信学科で、修士課程まで行きました(当時は、情報学科はまだ独立しておらず、電子通信学科がソフトウェアとハードウェアの両方をカバーしていました)。

  • 一度経験すると手放せなくなるiPadでの赤入れ

    neu.Annotateの最新バージョン版(1.37)がアプリストアにならんだので、報告する。今回の目玉は、高速化と省メモリ。かなりサクサクと読めるようになったし、1ページあたりのストローク数が増えた時の書き心地も大幅に向上させたので、ぜひともお試しいただきたい。 iPhone/iPad 用に沢山のアプリをリリースして来た私だが、その中で私自身がもっとも頻繁に実務で使うのが neu.Annotate。 つい先日も WEB+DB PRESS に連載中のコラムの最終校正を neu.Annotate を使ってしたのだが(左図)、赤ペンでフリーハンドで描くだけでなく、バーチャルキーボードで打ち込んだ赤文字も任意の場所に配置できるので、編集の人に「(手書きの文字より)読みやすい」と評判が良い。 一度 iPad 上での赤入れを経験すると、その便利さ故に、もうパソコンや紙には戻れない。パソコンでは直感的

    一度経験すると手放せなくなるiPadでの赤入れ
  • 「空気に支配される大人」にはならないで欲しい

    「孫正義ソフトバンク社長が、経団連の理事会に出席し、経団連が一致して決議しようとした原発再稼働への賛成・推進に対して、反対し、執行部の姿勢を強く批判した」と報道されている(参照)。いかにも孫さんらしい行動だが、問題視すべきなのは、300社以上の出席者からは、孫社長の意見に対する反論も同調する意見もなかったという点。 経団連を牛耳る原発推進派の企業により「満場一致で原発再稼働に賛成する」という空気が作られるなか、その「空気作り」が許せなかった孫社長が真っ向から反対したが、残りの「空気が読める、空気に支配される大人たち」は黙ってしまったのである。 この状況は、学校で「いじめ」が起こった時に、一部のいじめっ子たちにより「あの子はいじめて良い」という空気が作られた時に他の生徒が黙認してしまう(そして、結果としていじめる側に回ってしまう)状況に似ている。そんな空気の中で「こんないじめは良くないよ」と

  • 私が事故後、脱原発派に転向した一番の理由

    先日のエントリーに、「論理的に考える力のない人が、 『放射能は危険』→『原発は不要』→『脱原発』 となっているのは理解できます。 普通に論理的に考える力のある人は、 『脱原発したときのリスク』を考え、 脱原発をしないほうがよいのでは?という意見の方が多いと感じています。 中島さんのような方が、なぜ、脱原発一直線なのかが理解できません。 脱原発について書かれるのはよいのですが、 一度、なぜ脱原発を訴えているのか?についても、この場に書いていただけないでしょうか?」というコメントをいただいたので、今回はその質問に答えてみる。 実は、福島第一原発での事故の第一報を聞いた時に最初に私の頭に浮かんだことは、「この事故は、日だけでなく、世界全体の原子力技術の発展に大きなブレーキをかける事になる。1000年に一度の津波のためにたまたま起こった事故のために、日のエネルギー政策を変更したり、原子力発電を

  • Life is beautiful: 図解、イノベーションのジレンマ

    私がマイクロソフトをやめるキッカケを作ったのが、「イノベーションのジレンマ」というだということは、以前にも書いた。IT業界でビジネスをしている限り、大きな会社にいようと、小さなベンチャー企業にいようと、このに書いてあることを日々意識しながら仕事をするかどうかは大きな違いを生むはずだ。 このブログでも何度も引用しながら、一度もちゃんと解説を書いたことがなかったことに気が付いたので、今日のエントリーは、このに書かれているコンセプトの解説。 そう思っていつもの様に書き始めたのだが、文字だけではとても伝えにくいコンセプトだ。しかし、図解と言えばパワポ、というのもありきたりすぎるので、会社の廊下にあるホワイトボードに手書きで描いた図を、携帯電話で撮影したものを使うことにした。通りがかった社員にも見てもらえるので、一石二鳥である。 上の図は、このに書かれたコンセプトを一般化したもの。ブルーのラ

  • 日本人の価値観にまで踏み込んで原発問題を考えるべき時が来たのだと思う

    「候補者のエネルギー政策を知りたい有権者の会」を見ると、さまざまな候補者のある意味で優等生的な答えが見られるが、今、問われているのは、「脱原発とクリーン・エナジーのどちらを選ぶか」なんて小手先の話ではなくて、「日をどんな国にしたいか」というもっともっと大きな話だと思う。 戦後、日は欧米に追いつけ追い越せと国民全員が一眼となって勤勉に学び・働き、世界2位のGNPを持つ国にまで成長したのだが、80年代終わりのバブルの崩壊後は「失われた20年」に突入し、2011年に入った時点ですでに、財政赤字、少子化、地方の過疎化、高い失業率、正社員・派遣社員の二極化、などのさまざまな問題を抱えていた。 3月11日の大地震と巨大津波は、まさに天変地異ではあったのだが、それに続く福島第一原発でのスリーマイルを超える原発事故は、「過疎化で苦しむ地方に金と雇用というエサで危険な原発をおしつけた結果得られる、豊富で

  • エンジニアから見た原発

    典型的な「理科系少年」として育った私にとっては、原子力発電は宇宙旅行人工知能とならぶ「人類の英知を集めた科学技術の結晶」であり、あこがれでもあった。ブルーバックスの相対性理論に関するはすべて読んだし、アインシュタインの書いた e=mc2 という式は私にとってはまさに「人類の英知」を象徴するシンボルであった。高校時代の前半までは、自分は物理学者になると確信していたぐらいだ。ひょんなきっかけからコンピューターの世界に足を踏み入れ、ソフトウェア・エンジニアとしての道を歩むことになったが、科学技術全般に対する情熱は今でも持っている。 そんな私なので、今までは当然のように「原子力発電」の支持者であった。資源の乏しい日にとって「石油が不要で、二酸化炭素を放出しないクリーンな原子力発電」こそ日にふさわしい発電方法であると信じていたし、自動車・エレクトロニクスに続く輸出産業としての原子力に期待もし

  • 日本が取るべき「ガラパゴス戦略」

    Techcrunchに「ComScore Says You Don’t Got Mail: Web Email Usage Declines, 59% Among Teens!」という記事が出ている。要約すれば、「若い人たちほど旧来型のメールは使わなくなっており、SMS(携帯メール)やIM(メッセンジャー)やFacebookなどの新しい形のコミュニケーションを使う」という話。 日の「ケータイ文化」やmixiの(初期の)成功を見て来た私としては「何をいまさら」という感じ。日には「パソコンのメールなんて使ったことがない」「最初にインターネットに触れたのはケータイから」というユーザーが沢山いるわけで、「パソコンのメールよりもより軽くて即時性のあるコミュニケーションの方が今の人たちのモバイル・ライフスタイルには適している」ことは数年前から周知の事実。 この例が示す様に、日はまだまだ「モバイル

  • 日本のケータイが「ガラパゴス化」した本当の理由

    「ガラパゴス」という言葉が今年の流行語大賞の候補に選ばれたということを聞いていたので、密かに受賞しないかと期待していたのだが、残念ながら大賞は逃したようだ(もし大賞に選ばれていたら、私が受賞することになったのかどうかの疑問はこれで解けずに終わってしまった)。しかし、この言葉をずいぶん前から使っている私としては、この言葉が一人歩きしているようでなんとも言えない気持ちなのでひと言。 まず最初に断っておくと、私が2001年のCTIA(米国の携帯電話業界で一番大きなカンファレンス)のスピーチでこの言葉を使った時は、単に日という「単一民族で、国民の大半の生活レベルが同じで、家電とか携帯電話のようなガジェットに流れるお金が比較的多い」という特殊な環境で、iモードを中心に「ケータイ・ライフスタイル」が異常なスピードで進化をとげていることを表して、「ガラパゴス現象」と呼んだだけのこと。決してネガティブな

  • 読者への公開質問:なぜソニーはアップルになれなかったのか?

    私も交換書簡およびアプリの開発を担当している、梅田望夫さんの「iPadがやってきたから、もう一度ウェブの話をしよう」、電子書籍ならではの目玉は、発売後に読者からいただいた質問に私と梅田さんが答えるという「増える交換書簡」。 すでに二つの質問に対する回答がアップロードされているが、これからも順次答えて行く予定なので、質問の方、よろしくお願いする。 興味深いのは、最初の二つの質問がどちらもソニーに関するものであること。「なぜソニーがアップルになれなかったのか?」「ソニーとグーグルの提携に未来はあるのか?」。 株価総額でもあっさりとアップルに抜かれ、ここのところいまいち元気のないソニーだが、「もし日のメーカーでアップルに対抗することができる企業があるとしたら、それはソニーだろう」という多くの人の期待を込めた質問なのだろうと解釈している。 私の回答は交換書簡を見ていただくとして、逆に私からこのブ

  • アップルの30年ロードマップ

    昨日、日経BP主催のAndroidに関するセミナーで講演+パネルディスカッションをしたのだが、パネルディスカッションを一緒にさせていただいた、日通信の福田尚久氏との話(特に、楽屋に戻ってからの非公開の話)が興味深かった。 福田氏は、スティーブ・ジョブズがAppleに戻り、Microsoftからの資金調達、iPodのリリース、アップル直営店の展開、という今のAppleの成功の基盤となる「奇跡の復活」を遂げた時期にジョブズの側近として活躍した人。 彼に言わせると、今のAppleのビジネス戦略は、倒産寸前だった97年当時に作った「30年ロードマップ」に書かれた通りのシナリオを描いているという。 もちろん、具体的な内容は企業秘密でもあるので直接聞き出すことはできなかったが、ここ12年の間にアップルが出して来たもの(iPod, iTunes, iPhone, Apple TV, Safari, O

    tatatayou
    tatatayou 2009/12/26
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