新たに見つかったエナンティオルニス類の復元図。体長は5センチほど。羽根の証拠は見つかっていないが、可能性として描かれた。(PHOTOGRAPH BY RAUL MARTIN) およそ10年前、スペイン中部の湖の底で、鳥のひなの化石が発掘された。最近の分析により、この化石が、今から約1億2700万年前のほぼ完全な鳥の骨格であることが明らかになった。地質年代で言えば中生代、恐竜がいた時代である。(参考記事:「恐竜時代のひな鳥を発見、驚異の保存状態、琥珀中」) この鳥は、エナンティオルニス類という原始的な鳥類だ。現生の鳥に似ているが、顎には歯があり、翼には指と爪があった。化石のひなの体長は5センチほどで、生きていたときの体重はわずか10g程度だったと考えられる。これまでに見つかっている中生代の鳥類の化石としてはおそらく最小だ。 英マンチェスター大学の上級研究員ファビアン・ノル氏が3月5日付けの学