ブックマーク / dlit.hatenablog.com (13)

  • 少年は科学で,少女は魔法でたたかう - dlitの殴り書き

    下記の記事のはてブのコメントで複数指摘されている,少年は魔法というより科学やメカといった話についてはジェンダー論の方で言及がありますので,私が出会った記述を紹介しておきます。 anond.hatelabo.jp 『はじめてのジェンダー論』から 私自身あまり専門というわけではないのですが,言語表現に見られるジェンダーイデオロギーとかに興味のあるゼミ生がけっこういまして,ジェンダー言語学やジェンダー研究についてもある程度文献を読みます。この加藤秀一(2017)『はじめてのジェンダー論』もその過程で知ったです。 はじめてのジェンダー論 (有斐閣ストゥディア) 作者: 加藤秀一出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2017/04/22メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る 以下,「第7章 ジェンダーの彼方の国はどこにある メディアと教育」から関連する部分の引用です

    少年は科学で,少女は魔法でたたかう - dlitの殴り書き
  • 大学は「誰にとって」役に立たないのか - dlitの殴り書き

    はじめに このような話題は定期的にというか常にあちこちで話題になっていて傷気味だという人もいるでしょうけれど,誰かが一定量マジレスしておくというのも重要だと思うので書いておきます。 delete-all.hatenablog.com ちなみに,ご存じの方もいるでしょうけれど私は大学の利害関係者(大学教員)ですので,その分差し引いて読んで下さい。 そういえばこの手の話題についったーで言及していたことがありました。 「自分にとって大学の授業は意味がなかった」から「みんなにとって大学の授業は意味がない」という一般化を導くのは簡単ではない、というのは大学で直接/間接的に学べる重要なことの一つだと思うけど大学で勉強してなかったのならしかたない— Takumi TAGAWA (@dlit) December 1, 2016 対象を具体的に考えてみよう このように,「良い」とか「役に立たない」とか「必

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  • 現代日本語文法(研究)の入門本をいくつか簡単に紹介 - dlitの殴り書き

    追記(2021/08/08) 三上章関連書籍の読書案内も書きました。こちらでも日語文法研究を知る上で参考になる文献をいろいろ紹介しています。 dlit.hatenadiary.com はじめに この記事では,現代日語(主に共通語)の文法研究の新しめの成果が反映された,日語文法研究の入門・概説をいくつか簡単に紹介します。 直接のきっかけは,私が以前書いた金谷武洋氏への批判記事に対して下記のような反応があったことです。 確かに,日語文法研究にあまりなじみがない人がこういう批判に触れると「じゃあ結局何を読めば良いんだよ」と思ってしまうこともあるでしょう。実際,これまでもそのような反応をいただいたことは何度かあります。 もう一つのきっかけは,下記の書籍案内を読んだことです。 rikayamashita.hatenablog.com rikayamashita.hatenablog.com

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  • 大学の非常勤講師の待遇についていくつか - dlitの殴り書き

    はじめに 定期的に流れてくる話題で,定期的に反応しておこうと思います。 toyokeizai.net 私自身,いわゆる専業非常勤の経験があり,現在はいわゆる専任教員です。 d.hatena.ne.jp ちなみに,学部,修士,博士とフルで奨学ローンを借りましたのでまだ数百万レベルで返済が残っています。 反応が厳しい 毎回このような話が出てくるたびに気になってしまうのが,「自身の選択(だから仕方ないの)では」といった形の厳しい反応です(強い表現では「自業自得」)。 はてなブックマーク - 52歳大学非常勤講師「年収200万円」の不条理 | ボクらは「貧困強制社会」を生きている | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 私はまだ助教で採用人事に深く関わるようなことがないのですが,採用人事には当にさまざまな要因が絡むようですので,その結果(少なくともこの記事に出てきているぐらいの情報)を

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  • 「人文学はサイエンスではない」ということで良いですか? - dlitの殴り書き

    はじめに 下記の発言によると,「人文学はサイエンスではない」ということですが,他の人文系の研究に関わっている皆さん,それで良いですか? ※この記事では「サイエンス(的)」が何/どういうことを指すのかという点については踏み込みませんが,私が気にしているのは上記発言の直後にある「「新しいことを発見する」のではなく」という点です。 該当するのは以下のうち3つめのツイートですが,前後の文脈もはっておきます。 人文学って色々あるけどその質があるとしたら「人類や社会の記憶を保持すること」やと思うねん。人間が記憶を喪失したらそのアイデンティティは変わってしまう。人類社会のアイデンティティの保持が人文学の機能です。人格とか変えてしまっても今の快楽を享受したい人が人文学を嫌うのはある意味当然— 増田聡 (@smasuda) 2018年1月24日 オレがやってるような同時代的な現象の研究も、かつて考えられて

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  • 2017年度のおしごと一覧(国立大学法人,人文系助教,38歳) - dlitの殴り書き

    はじめに むしゃくしゃしてやった(通勤のつくばエクスプレス内で執筆)。 ついったーなどの存在もあって大学教員って思ったより忙しそうという印象を持っている人もそこそこいるのではと思いますが,それでもなかなか具体的なイメージを持つのは難しいと思いますので(というか私自身「仕事少なくて良いよね」みたいなこと言われる),私の2017年度の研究以外の仕事*1を一覧にしてみました。もともとのデータは毎年度ある教員の自己評価のためにメモしてあるので,ほぼそれを整理しただけです(忘れているものを後で追加するかもしれません)。 先に書いておくと,大学教員の仕事は大学,所属や分野によってさまざまなので,あくまでも一例としてお考えください。それほど多くの人の話を聞いたわけではないのですが,これより仕事の数・量が多い大学教員はたぶんたくさんいます(特に職階が上がっていくと…)。 並べ方は悩んだのですが,関連する組

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  • 「ないべき」の話についてちょっとだけ補足(+否定に関する読書案内第2弾) - dlitの殴り書き

    ほとぼりが冷めたようなので(?)、少し補足を書いておく。 現象自体は下記のツイートにまとまっているので、リプライ等も参考にして下さい。 昨日の研究会でいちばん盛り上がったのはモダリティ要素と否定の作用域関係のところで(特に)若年層では「ない」が「べき」の節内に生起するパターン(例:リンゴはべないべきだ)を完全に許容するという話を紹介して教員陣に衝撃が走った瞬間でした 一方で学生陣は「何が問題なのかわからない」と— Takumi TAGAWA (@dlit) 2017年2月2日 けっこう多くの人に衝撃が走ってるようなのでもう一つ報告しておくとこれを許容する話者の多くは形容詞のイ形も「べき」の節内に生起可能なようです(例:教師は賢いべきだ) https://t.co/YtdZ75tg1Y— Takumi TAGAWA (@dlit) 2017年2月2日 あと、丁寧に説明するとたいへん長くなる

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  • 聖職者であることを要求するのはやめにしませんか(教員に幸あれ) - dlitの殴り書き

    こういうことを自身も教員である私が書くのはあまり効果的ではないよなあとは思うのですが(大学教員だから気楽に言えるんだよと思われるリスクもあり)。 さて、下記の記事、これまでも似たような実体験を耳にしたことはあったので内容に驚くということではないのですが、ちょうど今週授業を持っている教育研究科(国語教育コース)の送別会があって、やはり多くの卒業生が教職に就く(戻る)という話を聞いた直後だったのでいつもより読んで暗い気持ちになりました。 anond.hatelabo.jp それで下記の応答なんですが、 anond.hatelabo.jp 体験談・アドバイスとしてはこういうのを書いてくれる人がいるのはありがたいことだと思います。特に、「子どもたちが、日々親や大人たちから同じように罵られ、脅かされていることに気付いた。」という認識を書いてくれたことは素晴らしいですね。ただ、こういう記事を踏まえた上

    聖職者であることを要求するのはやめにしませんか(教員に幸あれ) - dlitの殴り書き
  • スポーツの「感動」はこわい、ということを(少なくとも大人が)忘れてはいけないのでは - dlitの殴り書き

    ついったーにも書いたんだけど、部活動のみならず、スポーツのこわさの1つに大きな感動を引き起こすということがあると思う。特に危険なのが、「感動」や「勝利」によって暴力、ハラスメント、理不尽なこと、などなどが(一部)正当化されたりうやむやにされてしまうこと。 @gax88 部活動を廃止するとか0か100の議論では前に進まないと思います。廃止しなくても改善できることはたくさんあるはずだし、感動だって生み出せるはず。— ゆうけん (@yutakenta64) 2015, 7月 13 これは自分自身でも競技スポーツをやる中で何度も体験して実感したことで、あの「感動」の力というのはホントにすごい。何というか、そういう状態になってしまうと(なかなか)抗えない。何度か泣いたこともある(この僕が)。あと気持ちいい。 人によるだろうけど、自分が選手の場合も指導者的立場の場合も感動の強さという点ではあまり変わら

    スポーツの「感動」はこわい、ということを(少なくとも大人が)忘れてはいけないのでは - dlitの殴り書き
  • 人文系、ホンモノの学問、基礎/応用、みたいな話(言語学の研究者から見て) - dlitの殴り書き

    下記のエントリを読んで、たぶん愚痴という側面もあるのだろうなと思ったので、私も愚痴のようなことを書いてみる。結論は特にない。一研究者の実感の記録として呼んでもらえるとよいのかもしれない。 訳が分かっていないのに、「ポモはダメ!」と言いたがる残念な人達 仲正昌樹【第22回】 – 月刊極北 ちなみに、上記の記事に対しても、これから自分が書くことに対しても、愚痴だから(ある程度)批判を免れられると考えているわけではない。 人文系と「事実」の重み 自然科学における論争と違って、人文系の学問の論争は、クリアに決着が付かないことが多い。簡単に言うと、自然科学系の多くの問題は、実験とか計算、事実の観察によって、決着をつけることができるが、人文系では、それに相当するものがない。心理学のように、組織上は文学部に属していても、実験や臨床研究に重きを置く分野もあるが、これは例外だろう。経済学や社会学など、社会科

    人文系、ホンモノの学問、基礎/応用、みたいな話(言語学の研究者から見て) - dlitの殴り書き
  • 引用で「」(一重カギカッコ)の中の「」をどう書くか、と提出されたものから反省すること - dlitの殴り書き

    昨日下記のように引用の際のカギカッコの埋め込みについてつぶやいたら、いくつか情報をいただいたので、少し調べたことをメモしておく。 レポートで引用などの際に『「」』(外が二重カギカッコ、中が一重カギカッコ)としているのがけっこう目立つのだけれどどこかで習うかそういうスタイルがあるのだろうか(授業ではもし種類を変えるなら「『』」のように中を二重にすると明言しているんだけど— Takumi TAGAWA (@dlit) 2015, 1月 19 @dlit コピペする時に、中を『』にすると打ち直さなきゃいけないけど、外が『』ならそのままコピペしておけばよいから楽ちん、ということではないですか?— GAKU (@GAKU_IZ) 2015, 1月 19 @dlit 最近は週刊誌などでは、外が『』という文章も時々目にします。若い人には外が『』でも違和感ないのかもしれません。— GAKU (@GAKU_

    引用で「」(一重カギカッコ)の中の「」をどう書くか、と提出されたものから反省すること - dlitの殴り書き
  • 【補足】人文系の文献とか業績についてもうちょっと - dlitの殴り書き

    追記(2018/10/15) 他分野についても情報提供があり,関連記事のまとめを作りました。 dlit.hatenadiary.com 昨日の記事に関する補足を少し。 dlit.hatenablog.com こういう記事ってなかなか読んでもらえないんですよね…でもせっかくなので書いておきます。はてブでいただいたコメントを参考にしたところもありますが,個別のコメントを取り上げることはしません。 b.hatena.ne.jp まず,先の記事にも追記したのですが,下記の記事で日語学関係の査読付き論文誌やその他の文献の種類等について割と突っ込んで紹介しています。上記の記事を早い段階で読んでしまった方はよろしければどうぞ。 dlit.hatenadiary.com 今回の記事も,あくまで私の観測範囲の中のことに対する記述で単なる印象も含んでいますので言語学・日語学の話としてすら一般化できないだろ

    【補足】人文系の文献とか業績についてもうちょっと - dlitの殴り書き
  • 人文系の文献の取り扱いとか業績についてちょっとだけ - dlitの殴り書き

    追記(2018/10/09 20:40ごろ) 記事の公開後だいぶ経ってから思い出したのですが,下記の記事で「まず査読付き論文誌を探す」ことを推奨していたり具体的な雑誌名を挙げていることに気付きました。これこそ良い具体例だったのに最初に示さなかったのはもったいなかったというか,早い段階で読んでいただいた方々には申し訳ないです。言語学・日語学の中でも「日語を対象にした文章研究」というやや狭いトピックですが,著書,論文集や紀要論文との付き合い方についても書いてあるので興味のある方はどうぞ。 dlit.hatenadiary.com はじめに 私の専門は言語学(日語)で研究・教育関係で他の人文社会系や理工系の研究・文化の一部に触れることがあるぐらいなのだけれど(あとアカデミックライティングに関わっている関係で他分野について調べることもある),その狭い範囲ですらいろいろな違いがあってとても「人

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