テントウムシは害虫のアブラムシを盛んに捕食することから、天敵昆虫として有望視されているが、飛ぶ能力を持つため、アブラムシを食べ尽くすと圃場(ほじょう)からいなくなってしまう。そこで千葉県立農業大学校の清水敏夫(しみず・としお)さんは、テントウムシの翅(はね)を固定し、圃場への定着率を高めることに成功。「テントロール」の名で販売を始めた。露地栽培では防除効果が長続きしないなどの課題に直面しながらも、同校研究科の黒田歩夢(くろだ・あゆむ)さんは安価で扱いやすいペースト状飼料を開発し、露地でも「テントロール」を利用する道を拓こうとしている。 テントウムシは1日にアブラムシを100匹も食べてくれる 吸汁によって農作物に害を及ぼすアブラムシ。肛門から排泄される甘露が原因ですす病を引き起こすこともあり、確実に防除することが求められる。有効な農薬は開発されているが、薬剤耐性を持つ個体が現れるリスクを考慮
