原発事故の責任をめぐり、怒号や罵声が飛び交う大荒れムードとなった東電の株主総会。来場した株主は9309人。6時間を超えるロングラン総会は、結局、会社側の提案がすべて可決されるドッチラケに終わった。そりゃそうだ。東電のやり方があまりに姑息で、デタラメだったからだ。 注目されていた「原発撤退」を求める株主提案の採決について、ほとんどのメディアは「反対多数により否決された」、反対票は89%としか報じていない。だが、実態は違う。株主の挙手で賛否をはかったところ、撤退賛成に手を挙げた方が多かったくらいなのだ。議長を務めた勝俣恒久会長も、「えーっと」と困惑していた。それなのに、なぜ否決されたのかというと、東電側が「大株主の委任状」で強行突破したからだ。 「本日の総会では事前に2人の株主から委任状をもらっている。その議決権の数は、会場に出席の株主の議決権の過半数を大きく上回っている。委任状を行使する