タグ

ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (160)

  • ブラック・ライブズ・マター抗議運動、社会的距離、およびCOVID-19 - himaginary’s diary

    16日エントリで紹介した論文の著者たちが表題のNBER論文を上げている。原題は「Black Lives Matter Protests, Social Distancing, and COVID-19」で、著者はDhaval M. Dave(ベントレー大)、Andrew I. Friedson(コロラド大デンバー校)、Kyutaro Matsuzawa(サンディエゴ州立大)、Joseph J. Sabia(同)、Samuel Safford(同)。 以下はその要旨。 Sparked by the killing of George Floyd in police custody, the 2020 Black Lives Matter protests have brought a new wave of attention to the issue of inequality withi

    ブラック・ライブズ・マター抗議運動、社会的距離、およびCOVID-19 - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2020/07/05
  • フィリップス曲線叩きに反論する5つのポイント - himaginary’s diary

    前回エントリでリンクしたTony Yatesは、Andolfatto=クルーグマン論争について以下の5点を指摘している。 Benati論文が指摘したような失業とインフレの間の相関の変動は、それ自体では、現代マクロモデルでフィリップス曲線を構成する総供給との関係の有無について明らかにすることが少ない。需要と供給へのショックの構成比が変化すれば、モデルの世界ではこの相関も素直に変化する。従って(失業率の低下と低インフレの共存という)データの変化自体は、それらのモデルとそのフィリップス曲線を棄却するには十分ではない。 とはいえ、Nick Roweが思い起こさせてくれたように、フィリップス曲線が存在するからといって失業率の低下がインフレ率の上昇を「引き起こす」とは言えない。この場合の主因は、背景にある需要ショックである。 自分に言わせれば、フィリップス曲線を攻撃したい人は、物価も名目賃金も情報集合

    フィリップス曲線叩きに反論する5つのポイント - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2018/04/22
  • 20年後のIt’s Baaack・その4 - himaginary’s diary

    昨日まで紹介してきたクルーグマンの小論では、世界の中銀でインフレ目標が2%に設定された理由として以下の2つを挙げている。 ニュージーランド中銀が2%に設定した 最初に明示的なインフレ目標を導入した中銀であったため、経済のウエイトや人口(羊を含めても)に比べて過大な影響を世界に与えた。 妥協点として良いように思われた 「物価の安定」はゼロインフレを意味する、と信じた者も、技術進歩の測定できない恩恵を考慮すれば2%は実質ゼロだろう、ということで2%を受け入れた。 金利がゼロ下限に到達することを恐れた者は、2%のインフレはその懸念を概ね解消する水準だと考えた。また、名目賃金の下方硬直性に伴う問題の大部分も、2%のインフレで解消されると考えた。 しかし大不況における欧米の経験はその考えが間違っていることを示した。 その上で以下のように書いている。 Given the way experience

    20年後のIt’s Baaack・その4 - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2018/03/01
  • 人的資本理論は冷戦の遺物? - himaginary’s diary

    シティ大学ロンドン・カス・ビジネススクールのピーター・フレミングが、Aeonというデジタル雑誌に「What is human capital?」という記事を寄稿している(H/T Mostly Economics)。 その冒頭では、1960年のシカゴ大学での2人の経済学者――セオドア・シュルツとミルトン・フリードマン――の対話から人的資という概念が改めて脚光を浴びるに至った様が、やや大仰な語り口で紹介されている。 As the two men faced each other in that dark, oak-panelled office, they had a big problem on their hands. University economists were being recast in a new light by US state authorities; no lo

    人的資本理論は冷戦の遺物? - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2017/06/04
  • 紙幣とデジタルのバランス - himaginary’s diary

    少し前に中国のキャッシュレス社会の進展がツイッター上で話題になったことがあったが、マレーシア中央銀行副総裁のEncik Abdul Rasheed Ghaffourが、今月半ばにクアラルンプールで開かれた通貨会議のウエルカムスピーチで、その問題について論じている(H/T Mostly Economics)。 そこで彼は、デジタル化の進展について論じた上で、以下のように述べている。 However, despite these observations, central banks around the globe expect cash to stay necessary and never go away. There are several reasons for this but ultimately they boil down to having a good mix of bo

    紙幣とデジタルのバランス - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2017/05/28
  • 日本の人口動態が生産性とインフレに与える影響 - himaginary’s diary

    というIMF論文が出ている。原題は「The Impact of Demographics on Productivity and Inflation in Japan」で、著者はYihan Liu、Niklas Westelius。 以下はその要旨。 Is Japan’s aging and, more recently, declining population hampering growth and reflation efforts? Exploiting demographic and economic variation in prefectural data between 1990 and 2007, we find that aging of the working age population has had a significant negative impact

    日本の人口動態が生産性とインフレに与える影響 - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/12/16
    第二次ベビーブームのお蔭でぎりぎり持ちこたえている感じなのか
  • 経済学は経済学者に任せておくには重要過ぎる - himaginary’s diary

    というのは良く言われることだが(例:ここ)、物理学者でありサイエンスライターであるマーク・ブキャナンがブルームバーグ論説で以下のを取り上げ、改めてそうした主張を展開している(H/T Mostly Economics)。 The Econocracy: The Perils of Leaving Economics to the Experts (Manchester Capitalism) 作者: Joe Earle,Cahal Moran,Zach Ward-perkins,Mick Moran出版社/メーカー: Manchester Univ Pr発売日: 2016/11/25メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る Why has so much of the world succumbed to populist demagoguery and xenoph

    経済学は経済学者に任せておくには重要過ぎる - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/12/06
  • トランプに抗する正しいやり方 - himaginary’s diary

    2月にトランプとベルルスコーニを比較したジンガレスのNYT論説を紹介したが、トランプが大統領に選出された今、改めてジンガレスが表題のNYT論説を書いている(原題は「The Right Way to Resist Trump」;H/T Economist's View)。 Five years ago, I warned about the risk of a Donald J. Trump presidency. Most people laughed. They thought it inconceivable. I was not particularly prescient; I come from Italy, and I had already seen this movie, starring Silvio Berlusconi, who led the Italian gov

    トランプに抗する正しいやり方 - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/11/24
  • 問題は人口動態だよ、馬鹿者! - himaginary’s diary

    というFT論説をGavyn Daviesが書いている(原題は「It’s the demography, stupid!」)。 そこで彼は、人口が自然利子率の低下に影響を与える経路として、以下の3つを挙げている*1。 労働供給の伸び率 労働供給の伸び率が低下して、労働に比べて資が過剰になれば、資の収益率は下がり、新規投資の魅力も薄れる。これは実質金利を下げる。 依存人口比率 労働者は退職者よりも貯蓄するため、依存人口比率が低いと、経済の貯蓄率が上がる。ベビーブーマーが労働力人口の一部だった2000年以前は、それによって先進国の貯蓄率が上がり、自然利子率は低下した。 ベビーブーマー退職後はこの傾向は逆転するはず。 平均寿命 退職年齢が同じままで平均寿命が延びると、人々は老後に備えて、働いている間の貯蓄を増やす。これは貯蓄率を上げ、自然利子率を下げる。 また彼は、人口動態が自然利子率に与えた

    問題は人口動態だよ、馬鹿者! - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/10/26
  • なぜ資本主義は無意味な職を創出するのか - himaginary’s diary

    David GraeberというLSEの人類学者が、9/27付の表題のEvonomics記事(原題は「Why Capitalism Creates Pointless Jobs」)で、ケインズの「わが孫たちの経済的可能性」*1の労働時間の予言が間違った理由について、ややマルクス主義的な仮説を立てている(初出はストライク誌の2013/8/17付記事「On the Phenomenon of Bullshit Jobs」;H/T Mostly Economics)。 以下はその冒頭。 In the year 1930, John Maynard Keynes predicted that technology would have advanced sufficiently by century’s end that countries like Great Britain or the Un

    なぜ資本主義は無意味な職を創出するのか - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/10/10
  • 日本にとってより良い経済政策 - himaginary’s diary

    というProject Syndicate論説をスティグリッツが書いている(H/T Economists's View)。原題は「A Better Economic Plan for Japan」。 その冒頭でスティグリッツは、経済成長はそれ自身が目的ではなく、問題なのは生活水準であるが、日は人口増大を抑制しつつ生産性を上げるという点で2008年以降は欧米よりもむしろ上手くやっているので、日の経済政策への批判の一部は当たっていない、と述べている。とはいえ、日はもっと良くなれるはずだ、という日人の考えに自分も同意する、として、インフレ達成、信頼の回復、成長率の押し上げに失敗した最近の政策に代わるものとして以下の処方箋を示している。 大規模な炭素税 グリーンファイナンスと組み合わせれば経済を改善するための投資を大いに刺激する。その刺激効果は、税によって経済システムからお金が引き揚げられる

    日本にとってより良い経済政策 - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/09/19
  • オバマケアは学部生レベル - himaginary’s diary

    マンキューが、Uwe ReinhardtのVOXインタビュー記事にリンクしている。Reinhardtによると、オバマケアの医療保険の取引所(マーケットプレイス)は既に死のスパイラル*1に嵌っており、完全な崩壊に向かっているという。インタビュアー(Sarah Kliff)は、マーケットプレイスを研究している人の中でこの意見は少数派、としつつも、主流派からまったく外れているわけでもない、と解説している。 以下は同記事のReinhardtの発言からの引用。 I always joke about it like this: If you got a bunch of Princeton undergrads to design a health care system, maybe they would come up with an arrangement like the marketpla

    オバマケアは学部生レベル - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/08/28
  • 危険な哲学者・続き - himaginary’s diary

    昨日紹介したピーター・シンガーに関するマイケル・スペクターのニューヨーカー記事から、彼の哲学への批判を紹介した箇所を引用してみる。 Critics say that his moral certainty is one of Singer's most significant flaws–that he is too demanding, too impersonal, and too dismissive of the way people actually relate to one another. In its rawest form, Singer's philosophy condemns people for caring more about their families than about strangers. "People do have special relat

    危険な哲学者・続き - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/08/08
  • 経済理論はどこまで正しいか? - himaginary’s diary

    恒常所得仮説の誤りを取り上げたノアピニオン氏のブルームバーグ論説にクリス・ディローが以下のように反応した。 We should ask of economic theories not: “are they true?” but rather “how true are they?” I was reminded of this by Noah Smith’s piece pointing out that Friedman’s permanent income hypothesis is wrong – a fact which matters a lot because, as Noah says, the PIH implies that fiscal policy is ineffective. Noah’s right. But he overstates the newness

    経済理論はどこまで正しいか? - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/08/03
  • 中国の旅行収支の謎 - himaginary’s diary

    Brad Setserが、中国で成長率が低下し輸入が減る中で2014年に旅行収支の赤字が増えたのはおかしい、と首を捻っている。確かに海外への旅行者は増えているが、それでは旅行収支の赤字の増加を説明できない、という。具体的には、旅行者の増加が10%程度(統計によっては20%程度)であるのに対し、旅行収支の輸入は80%も増加したとの由。 考えられる理由の一つは、国際収支統計における集計方法の変更である。旅行の輸入の増加額は2013年は400億ドルだったが、2014年は1000億ドルに達したという。旅行の輸出の増加額も2014年に増えたが、輸入ほどでは無かった。Setserは、2014年当時に人民元の対ドル相場の先行き変化が予想され始めた中、隠れた流出が起きたのではないか、と疑っている。Setserの記憶によれば、統計の第一報ではそれほどの増加では無かったはず、との由。 では、その隠れた流出とは

    中国の旅行収支の謎 - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/08/02
  • デロング、格差を語る――奴隷制廃止からトランプ現象まで - himaginary’s diary

    デロングが「A Brief History of (In)equality」と題したProject Syndicate論説で、アイケングリーンが最近のリスボン講演で挙げた過去250年間の格差に関する6つの主要な動きを紹介している。 ちなみにデロングは、アイケングリーンと自分との共通点として、経済史を研究してきたことからすべての状況が複雑であることを理解しており、概念の明確さを追い求めるあまり過度の単純化に走ったり、単一のモデルで説明できること以上のことを説明しようとはしない、という特長を指摘している。 1750年から1850年に掛けての英国の所得分布の広がり 英国の産業革命の利得は、都市と地方の中産階級に及んだが、貧困層には及ばなかった。 1750年から1975年に掛けての世界の所得分布の広がり ある地域では工業技術およびポスト工業化時代の技術からの利得を手にしたが、そうでない地域もあった

    デロング、格差を語る――奴隷制廃止からトランプ現象まで - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/08/01
  • ユニバーサル・ベーシック・インカム:マンキューの指摘 - himaginary’s diary

    マンキューが、平均所得が5万ドルだが所得格差が大きい経済における以下の2つの社会保障政策を比較している。 皆に1万ドルを移転。財源は所得への20%のフラット・タックス。 資力調査を伴う1万ドルの移転。所得の無い人には満額が支給され、所得が増加するにつれ支給額は減少する(所得が1ドル増加するごとに20セント減少する)。財源は、所得の5万ドルを超える分への20%のフラット・タックス。 このエントリのネタ元になったのは、シカゴ大のIGMフォーラムのベーシックインカムに関する経済学者へのアンケート調査。マンキューは、そこで寄せられた幾つかの意見を上記のスキームに当てはめて以下のように集約している。 政策1は狂っている。ビル・ゲイツが政府の所得移転を受ける謂れは無い。彼はそれを必要としていないのに、我々はそのために増税しなくてはならないのだ。 政策2の方がより累進的である。所得移転の対象者が当に必

    ユニバーサル・ベーシック・インカム:マンキューの指摘 - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/07/20
  • ヘリマネ政策を弄ぶ日本 - himaginary’s diary

    Gavyn Daviesが「Japan flirts with helicopter money」という論説を書いている。 以下はそこからの引用。 There are many ways of defining helicopter money, but the essential feature is that it involves an increase in the budget deficit which is financed by a permanent increase in the central bank’s monetary base, not by the issuance of government debt. Although this does not literally involve dropping banknotes from the sky, its

    ヘリマネ政策を弄ぶ日本 - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/07/18
  • 一方、日本では… - himaginary’s diary

    家計消費が低下し続けている、というブログエントリをBrad Setserが書いている(原題は「Meanwhile, in Japan, Household Consumption Continues to Fall」、H/T Economist's View)。 (ここでmeanwhileから始まっているのは、ブレグジットやイタリアの銀行や人民元の行方に世間の耳目が集まっている傾向を受けている。) Setserはまず具体的なデータとして、5月の家計調査がネガティブサプライズとなり、14年の財政再建開始以降の実質消費の低下傾向が明確になっている点を指摘している。 その上で、背景を以下のように分析している。 I consequently do not think there is any real mystery as to why Abenomincs is floundering a bi

    一方、日本では… - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/07/13
  • 財政金融の新時代 - himaginary’s diary

    「A Remarkable Financial Moment」と題したブログエントリでサマーズが、低下を続ける各国の長期金利を前に市場は長期停滞のリスクを認識したようだが、政策当局者の認識が遅れている、と書いている。(H/T Economist's View。cf. FTとWaPoへの転載)。 ...policymakers still have not made sufficiently radical adjustments in their worldview to reflect this new reality of a world where generating adequate nominal GDP growth is likely to be the primary macroeconomic policy challenge for the next decade.

    財政金融の新時代 - himaginary’s diary
    terazzo
    terazzo 2016/07/12