北京五輪開催の余韻が残る2008年9月の早朝、徒歩で支局への道を急いでいると、純白のスポーツウエア姿のアジア系女性に出くわした。五輪前、チベット弾圧で英国の批判を一身に受けた傅瑩駐英中国大使(現外務次官)だった。 取材を申し込むと、公園を散歩しながら半時間、質問に答えてくれた。「チベットでの対応はひどすぎないか」と聞くと、「私はモンゴル族出身だ。中国政府の政策でモンゴル族の住む地域は発展している」と、共産党の少数民族政策は間違っていないと強調した。 中国で初めて少数民族出身の女性外交官となった傅氏は英語が巧みで、BBC放送の報道トップをやり込めた逸話まである。その彼女が、中国の民主活動家の劉暁波氏に平和賞を授与しないようノルウェー・ノーベル賞委員会に圧力をかけていた。 世界ウイグル会議議長で「ウイグルの母」と呼ばれるラビア・カーディル氏も今回、平和賞候補者だったので過去のインタビュー記事に