■ファゴット奏者の小さな悩み ファゴットを演奏している者の悩みの一つ、それは楽器の知名度が世間的に低いということです。オーケストラの演奏に接する機会の多い維持会員の皆さんは、もちろんご存知の楽器だと思いますが、クラシック音楽に馴染みの少ない方々には、悲しいながら、21世紀の今日においても浸透しているとはいえない状況です。例えば、楽器を持って近所のクリーニング屋に寄ったとします。「あら、それ楽器? 何をやってらっしゃるの?」と、店のおばさん。「秘密です」とか気取るのもいかがなものなので、一応楽器名を言って説明を試みますが、だいたいは首を傾げられて終わりです。同じ管楽器でも、フルートやトランペットという名前を出せば、おばさんの反応や目の輝きは全く異なるでしょう。ですので、私は一般の皆さんには、楽器をやっていることをなるべくアピールしないようにしています。説明が面倒くさいからです。 というマイナ