保育園に息子を送っている。毎朝。だいたい同じ時間に登園している。すると。運命的に、というか必然的。というか星のめぐり合わせ的に、顔を合わせる保護者は同じになる。 私はもちろん「おはようございます」と人びとに言う。たとえ子どもの年齢が違ってもだ。同じ施設に通うものとして、礼節を重んじたい。言えばみなさん返答してくださる。しかし。ふと。気がついてしまった。いつも私からあいさつをしている。と。 私はなんて傲岸不遜な人間なのだろう。人間には貴賎がある。その賎のほうに帰属するこの私が、貴人様に対して「なんでいつも俺からあいさつしてるん?」と思ってしまったのである。神よ、こんな私をお赦しくださいますか。 と、思ったので我が細君に相談し申した。「恥の多い人生を送ってきました。そんな私がまたひとつ羞恥に耐えぬ思惟をしてしまったのです。かくかくしかじか」と。 そしたら。我が細君は大卒だ。しかも四年制。やはり