かごしま水族館(鹿児島市)でイルカの出産6例目となる赤ちゃんが1月、生後5日目で死んだ。同館でイルカの赤ちゃんはいずれも無事に育っていない。なぜ、育つことが難しいのか。 出産を控えた母イルカは授乳訓練をして出産に備えてきた。飼育員が棒の先についた黄色い目印を生まれてくる赤ちゃんに見立てて母イルカのおなかに当てる。母イルカはその黄色い目印に乳を近づけ、棒の動く速さに合わせて泳いでいた。 ナーガは1月21日に出産。しかし、赤ちゃんは25日に死んだ。昨年12月にもチークが出産に成功したが、無事に育たなかった。 日本動物園水族館協会(東京)によると、バンドウイルカは2010年末現在、全国35施設で292頭いる。10年に生まれたバンドウイルカは死産、流産を含めて13頭。約10日以内に半分ほどが死に、1年以上生きるのは3割近くという。 協会でバンドウイルカの種別調整を担当する井上聰(さとし)さ