訪日観光客を増やすため、中国人の個人向け観光ビザの発給要件が7月から大幅に緩和される。人民元の切り上げで中国人客の購買力は高まるとみられ、小売り関係者らの期待は高い。ただ、観光や買い物をするのは東京や大阪など大都市に偏っており、経済効果を都市部以外にも広げる仕組み作りが求められる。 中国人観光客向けの免税家電量販店「ラオックス上海新天地」(大阪市中央区)では、数十万円の腕時計やビデオカメラなどが人気だ。「1人で100万円近く使う客もいる」といい、1〜5月の売り上げは前年同期の約3倍に膨らんだ。 日本政府観光局の07年の調査によると、訪日中国人の平均消費額は12・8万円で、台湾人の11・8万円、韓国人の6・8万円より高い。百貨店や家電量販店などは消費意欲の強い中国人客を囲い込もうと様々な工夫をしている。 大丸心斎橋店(同)は4月から中国人観光客に商品価格を5%割り引くクーポン券を配り始めた。