沖縄県の尖閣諸島に対する中国の攻勢がまた一段と荒っぽくなってきた。毎週のように日本領海に中国艦船が侵入し、中国軍戦闘機が自衛隊機に異常接近するなど、もはや一触即発とも言える状態である。中国は尖閣奪取に向けた軍事態勢をますます強めているようなのだ。 中国政府による反日外交プロパガンダもとどまるところを知らない。「日本は釣魚島(尖閣諸島)を中国から盗み、戦後の国際秩序を変えようとしている」といった日本誹謗の政治宣伝を強化している。 こうした軍事、政治の両面でのせめぎ合いは、中国が優位に立っている。しかもこのせめぎ合いが実際の軍事衝突につながる危険性も高い。このままだと日本は中国の我が物顔の領海侵犯によって尖閣の施政権さえ骨抜きにされそうである。もしそうなれば、日米安全保障条約が適用され、米軍の防衛義務が発生するのは日本の施政権下にある領域だけだから、日米同盟の軍事効用も空洞化されてしまう。 そ