1月22 池内恵『イスラーム国の衝撃』(文春新書) 8点 カテゴリ:政治・経済8点 2014年6月に突如としてイラク第2の都市のモスルを制圧し、その存在を世界に知らしめたイスラーム国。その後も、異教徒に対する過酷な取り扱いや欧米人の人質の処刑、カリフ制の宣言などイスラーム国の行動はまさに「衝撃」を与えるものでした。 そのイスラーム国の来歴と台頭の要因を、近年の中東の政治情勢と政治思想の面から読み解いたのがこの本。著者は、早くからブログやさまざまなメデイアでイスラーム国に対する論考を精力的に発表しており、現在進行形の事態を鮮やかな手つきで分析しています。 日本人の人質事件が発生している現在、まず「イスラーム国という現象」を知る上での基本図書となるでしょう。 2001年の9.11テロで未曾有の大規模テロを引き起こしたアル=カイーダ。ビン・ラーディンを中心とする世界的なテロのネットワークはその力