第82回「第4次産業革命を生き抜くための日本企業の生産性向上(1)- なぜ、日本企業の生産性は低いのか -」 1 「100年に一度の大変革」の時代 われわれは今、大きな時代の転機に直面している。それを豊田章男社長(トヨタ自動車)は、「100年に一度の大変革」と呼んでいる。 1つ目は、これから本格的な人口急減社会を迎えることである。過去、人口が増えていた日本では、市場が拡大していたので、企業は成長し、給料は上がり、雇用は確保されてきた。年功制・終身雇用という日本型雇用は、右肩上がりを前提にした雇用システムであり、それがジャパン・アズ・ナンバーワンと言われるほど強い国際競争力を持つ日本企業の競争力の源泉と言われた。だが、これからの人口が減少する社会では、低成長の時代であり、市場が伸び悩み、生産年齢人口が減少するため、従来と同じ仕組みのままでは、企業はなかなか成長しない。 2つ目は、第4次産業革