2022年6月から英国では6カ月にわたり週休4日制の実証実験が行われ、参加企業の9割以上は実証終了後も週休4日制を続けたいと答えた(BBC news[1])。生産性の向上やワークライフバランスの改善が理由だ。労働時間を短縮する場合には労働生産性の向上が不可欠である。短い労働時間で高い生産性を達成するための鍵となるポイントは何だろうか? 本コラムでは、組織内の民主的カルチャーが時間あたり労働生産性を高めるキーの1つと提案し実験室内実験を行った筆者らの研究(Kamei and Tabero, forthcoming[2])を紹介する。 企業組織の生産活動の多くはチームの形態をとる。チーム生産では、同僚の貢献にただ乗りする従業員のモラル・ハザード問題が労働生産性に負の影響を及ぼす。モラル・ハザードが起こる主要な理由の1つは、企業が従業員の労働行動を完全には観測できない点にある(Alchian a
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