【ニューデリー時事】約12億の人口を抱えるインドが、指紋を含む住民の個人情報を一元管理し、各人に識別番号を付与する計画を進めている。身分証明を容易にし、人々が行政や民間のサービスを迅速に受けられるようにするのが目的。来年2月までに番号の発行を始め、最初の5年間で6億人を網羅したい考えだ。 計画はもともと、身分証明ができないために社会保障を受けにくく、銀行口座も開けない貧困層を救済する目的で発案された。政府は昨年2月に管轄官庁の「固有識別庁」を設置。IT(情報技術)大手インフォシス・テクノロジーズのニレカニ共同会長を引き抜いて、そのトップに据えた。 識別庁は、7億人余の有権者名簿を持つ選挙管理委員会のほか、民間の保険会社や貧困層の権利擁護団体などの協力を得て、住民情報の把握に着手した。ただ、スラム住民や路上生活者、州を超えて頻繁に移動する労働者らの登録には長い時間がかかるとみられている。