水素は利用段階で二酸化炭素(CO2)を排出せず、多様な製造が可能な有望なエネルギーの一つ。海外からより安価な水素を導入するプロジェクトを軌道にのせ、水素社会の実現に弾みをつけてもらいたい。 豪州の褐炭(低品位の石炭)から水素を製造し、液化した水素を専用運搬船で日本へ長距離輸送する、水素サプライチェーン実証試験が2020年度中にも始まる。岩谷産業や川崎重工業、シェルジャパン、Jパワーなどの7社で構成する技術研究組合「ハイストラ」が担う。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて、15年度から技術実証が進められてきた。 約9000キロメートルある日豪間を海上輸送するため、川崎重工業は世界初の液化水素運搬船を建造した。さらに神戸空港島(神戸市中央区)に液化水素輸入基地も整備し、岩谷産業などが基地の運用に向けた試験を進めている。近く水素運搬船が同研究組合に引き渡され、神戸の輸入基
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