シンギュラリティ論、特に知能爆発説のシンギュラリティ仮説においては、ひとたび人間を超える人工知能が作られると、その人工知能は自身の知能を再帰的に指数関数的に成長させることができると主張されています。 更には、その超人的人工知能は、自身の知能を指数関数的に成長させるのみならず、科学やテクノロジーの未解決問題、果ては貧困や紛争といった社会問題までもを、短期間のうちに解決することができると信じられているようです。 けれども、この信念、すなわち「進歩の障害となるものは思考力の量、あるいは知能の高さのみである」という考え方は、論理的には完全な誤りであり、ケヴィン・ケリー氏はこれに「思考主義(Thinkism)」という名前を付けています。実際のところ、科学やテクノロジーの進歩においては思考以外の要素が必要となるからです。 少し長くなりますが、ケヴィン・ケリー氏の言葉を引用します。 ガンを治す、あるいは