人工知能(AI)は人間の仕事にどんな影響を与えるのか。世界中で議論が進行する中、フィリピンでは新たな現実が既に始まっている。 人件費削減でフィリピンに移されたバックオフィス(後方支援)業務の一部が、今ではプログラムを実行する「ボット」に委ねられつつある。売上高が今年380億ドル(約5兆5000億円)を超えると予測されている同国の巨大なアウトソーシング業界では、あらゆる主要企業が競争力を維持してビジネスモデルを守るためにAIツール導入を急いでいる。 その大半が過去8-9カ月間に何らかの形でAIという「助手」を採用した。彼らは主に人間のオペレーターと一緒に働き、顧客への説明に長時間要する状況を回避しようと、その顧客が電話や電子メールを介して企業と過去に交わした内容を要約するといった業務を行うよう、少なくとも理論的には、プログラムされている。 このようなプロセスには、高度な音声認識テクノロジーや