多くの国民が日本最高の頭脳と信じている日本の霞ヶ関官僚。政治家もメディアも彼らに対する不満を漏らすものの、日本最大のシンクタンクとして当てにしている。しかし、彼ら自身は、他国の官僚たちと競う国際舞台で、彼我の力の差を見せつけられて自信をなくしている。 高度成長時代は欧米に政策立案のモデルがあった。だが、グローバル化、テクノロジーの進化、高齢化などの変化が史上最大のスケールとスピードで進む現在、霞ヶ関官僚たちは、率直に言えば、何をやればいいのか分からなくなっている。 そして、自分たちの国に有利なゲームを展開できるように、世界の官僚たちが仲間作りをしている時に、霞ヶ関官僚たちはネットワーキングの機会さえ失っている。 その背景には政治と政府の無作為があると思う。公務員制度改革が叫ばれるものの、公務員の力を引き上げる施策はない。官僚バッシングと同義語になっている。その裏には、政治家と官僚がつぶし合