米国だけに限らず、世界の各地でポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭しているのはなぜなのか。『劣化国家』『マネーの進化史』などの著書で知られるハーバード大学の歴史学教授、ニーアル・ファーガソンが過去の事例を踏まえながら、その原因を解説する。 これから、「何がポピュリズムの台頭を招くのか」について解説してみたいと思います。なぜなら、ポピュリズムは今日、米国だけでなく、世界のほぼすべての地域で政治の方向性に影響を及ぼしているからです。 ポピュリズムがよく理解できない人のために、人気シェフにならって、ポピュリズムの「レシピ」を紹介しましょう。このレシピには、原則として5つの「材料」が必要です。 1つ目の材料は「移民の増加」です。米国の人口に占める外国生まれの人の割合を1850年代までさかのぼると、よく耳にする「米国は移民によってつくられた国だ」という話は、必ずしも事実ではないことがわかるでしょう。
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