ロシアのウクライナ侵攻で、国連総会緊急特別会合が3月24日に採択した民間人への無差別攻撃に関するロシア非難決議には、140カ国が賛成した半面、5カ国が反対、38カ国が棄権に回った。棄権票を投じたり投票そのものを見送ったりした〝隠れロシア派〟とも呼べる国々の代表格は、中国、インド、南アフリカ、イラン、ベネズエラだ。背景に、どんな事情があるのか。国際シンクタンクの報告書を手掛かりに整理した。 「沈黙は中立にあらず」「明白な国際法違反を前に沈黙することを中立とは言わない」。23、24日の2日間にわたって開かれた国連総会の特別会合で、永世中立国スイスの代表がこんな言葉を口にした。ロシアを非難する決議案に賛成しない姿勢は、「ロシアを擁護するのに等しい」という批判だろう。