コペンハーゲン中央図書館の子ども図書館で働き始めた頃、そういってカウンターにやって来た女性がいた。「図書館に寄贈?そんな話は聞いたことないな」と思ったわたしは、同僚に内線電話をかけてたずねた。出てきた同僚が案内してくれたのは、窓辺におかれていた古い木製のチェスト。「この中に入れておいてくださいね」そう言って、彼女は本をたくさん抱えた女性に微笑んだ。 女性が持ってきた本が “Læs for livet -Read for your life”〈生きるために読書を〉 の活動をサポートするためのものだったと知ったのはそれからしばらくしてからのことだ。このチェストに詰め込まれたたくさんの本が、児童福祉施設や若者向けの療養施設、グループホーム、女性のためのシェルターなどへ届けられていたことをわたしは知った。 それが2013年秋。この〈生きるために読書を〉の活動は、ある一人の女性が個人的な活動として2