5月終盤。#88の続き。 アルバム「アンテナ」は、ギター・バンドとしてのアイデアと、大人びた円熟、そして、ロックンロール・バンドとしてのケミストリーへの大きな希望と夢への探求と憧れが渦巻いている作品だ。 中でも、リード・トラックのひとつである「HOW TO GO」は、このバンド20年の歴史の中でも大きな礎になった楽曲である。 「HOW TO GO」が出来る前に、オリジナル・メンバーであった森信行が脱退している。くるりのメンバー・チェンジは今となってはネタ的に語られることが多い(心外だが仕方ない)が、その殆どが音楽的な理由によるものだ。 何よりも「次に作る音楽」への貪欲さへの追求が第一だった我々は、ここより茨の道を辿ることになる。 「次に作る音楽」と、オリジナル・メンバー脱退を引き換えにした代償は途轍もなく大きかった。鳥が思うように飛べない、という状態がずっと続いた。 「HOW TO GO」