累計150万枚を超える大ヒット曲「長崎は今日も雨だった」などで知られる「内山田洋とクール・ファイブ」のボーカルを務め、現在はソロとして活動する歌手の前川清(73)。1年ぶりにシングル「胸の汽笛は今も」を発売したが、新曲について「もう出さなくていいんじゃないっていう自分もいる」という葛藤を告白。その言葉の真意や前川の音楽観をひもといた。(水野 佑紀) 1年ぶりのシングル発売。が、前川は浮かない表情を見せた。 「もう新曲を出さなくていいんじゃない、と思う自分もいる。取材に来られても乗り気じゃないような…。昔は『いい曲だから聴いてください』って言っていたけど、『今はどうせ売れない』ってね」 アーティストにとって新曲発売は喜ばしいイメージが強いため、前川の発言には驚かされた。新譜に複雑な思いを抱くようになったのは、ここ10年。音楽業界を取り巻く変化も大きいという。 「昔はテレビに出ることで顔を知っ