テフロン(TeflonR、商標)加工の調理器具は発癌(がん)性物質を発生する疑いがある、というニュースが2月に報じられた。米環境保護庁(EPA)諮問委員会が、テフロン製品に用いられるパーフルオロオクタン酸(PFOA)について「発癌性物質である可能性が高い」と報告したもので、一斉に鍋やフライパンを投げ捨てる音が聞こえてきそうであるが、同委員会のメンバーであるGeorge B. Corcoran氏によれば、パニックに陥る必要はないという。 EPAのウェブサイトでも、日常的な調理によるPFOAの害については根拠に乏しく、POFAを含む製品の利用を中止する必要はないとの見解を示している。POFAは製造の過程で生じる「中間化学物質」であり、完成製品には必ずしも含まれない。フランスの調理器具メーカーT-FAL社も、自社の製品は300℃の高温で処理することによりPOFAが除去されているとしている。