昨年、『おばちゃんたちのいるところ』がアメリカのTIME誌が選ぶ「2020年のベスト本10選」に選出され、現在、世界幻想文学大賞のファイナリストに名を連ねるなど、国内外から注目を集める小説家の松田青子さん。 最新刊となるエッセイ『自分で名付ける』では、結婚せずに子どもを持った実体験を綴った。そこでは、おおざっぱに扱われがちな「結婚」、「妊娠」、「出産」、「育児」、「母性」……といった一つひとつに、鋭いツッコミを入れている(珠玉のツッコミの一部は本文で引用した)。 制度やしきたりや世間に流されることなく、「私」を大切にする松田さんのスタイルについて聞いた。 2019年、松田さんは結婚せずに子どもを産んだ。結婚するとほぼ100%近く、女性側が姓を変える日本の慣習に納得ができなかったという。 「結婚願望もなかったし子どもを持つ気もなかったんですけど、30代後半になって急に、あれ、今なら自分一人で
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