勤務していた会社を辞め、たった一人で「達人出版会」という電子書籍専門の出版社を作ったソフトウエア技術者がいる。 高橋征義氏は達人出版会の代表取締役を務めるとともに、プログラミング言語Rubyの利用者や開発者の支援組織「日本Rubyの会」の代表理事という顔も持つ。 出版社を作ろうと思ったきっかけは「技術者がきちんとビジネスやマネタイズを意識するための勉強会」を準備するために、とある飲み会に参加したことだった。 「どんなビジネスをすればいいか」と他の技術者と話し合っているうちに、「良質な技術コンテンツを電子書籍として提供するサービスが日本にも欲しい」という話になった。 既存の出版の枠組みの中で出版社が電子書籍に注力しようとしても簡単ではない。こう考え、高橋氏は自分でやってみることにした。 当初はソフトウエア開発会社に勤めながら、電子出版サービスを検討した。しかし、同氏は昼の仕事に加えて、Rub