「地上戦」で自民党を焼け野原にした小沢の次なる仕掛けは何か?―― 「自民党に対する積年の不満をぬぐい去ることができなかった。その責任を負う定めにあったと感じている。宿命と思って甘受しなければならない」 八月三十日、大物議員の落選を伝える速報が次々とテレビ画面に映し出されていくなか、ようやく自民党総裁辞任を表明した首相・麻生太郎は、大敗の原因を「積年の不満」だと言明した。自らの存在が最大の敗因だったという事実を、まだ認められないでいたのだ。 「麻生が数ポイント差に迫られている」 開票前の三十日夕、首相官邸に寄せられた民放の出口調査の情報は、官房長官・河村建夫ら側近を驚愕させた。さすがに「現職首相の落選」に備えたシミュレーションは行われなかったが、河村らはマスコミ各社からの情報収集に血道を上げた。そして、「民主大勝、自民大敗」の情勢を伝えるために公邸入りした河村に続き、午後八時からの開票直