年末までに武器輸出の規制緩和が決まりそうです。日本はこれまで「武器輸出三原則等」によって武器の輸出を厳しく自主規制してきました。しかしここにきて緩和への動きが急速に強まっています。いったい何故でしょうか?? 緩和についての誤解 最大の理由は、ヨーロッパのミサイル防衛のため 自衛隊の次期戦闘機(F-X) 個別・具体的で冷静な議論が必要 お勧め文献 関連記事 武器輸出 ミサイル防衛 戦争における人道 軍事リテラシー 緩和についての誤解 武器輸出の問題は、かなり重要なトピックでありながら、事実に基づかない報道や解説が数多くおこなわれています。例えば10月15日のNewsWeekにこうあります。 菅内閣は「武器輸出3原則」の緩和を検討しているようです。菅総理にしても北澤防衛相にしても真意が今ひとつ読めません。……まあ「何となく全部を混ぜた」というのが真相だと思うのですが、その中心にあるのは「不況だ
尖閣諸島沖での中国漁船と海保巡視船の衝突事件について、遅まきながら見解をまとめておきます。 この事件は単なる衝突事件にとどまらず、事件の背景となっている尖閣諸島の領有権をめぐる日中対立につながっています。 今回のいきがかり上、中国は強硬な態度をとっています。日本側に譲歩を迫るとともに、領土問題の存在を国際社会にアピールしたい考えです。日本側はアメリカをはじめ国際社会を巻き込みながら、押し負けないことが必要でしょう。 下手な譲歩の仕方をすると、円満に収まるどころか、漁船の次は漁業監視船、島への上陸と次々押されてしまうことが目に見えています。なぜなら漁船の違法操業からスタートして徐々に実効支配を進めるのは、南シナ海でも行われている中国の常套手段だからです。 事件はどのように起こったか? ざっくりしたあらまし 顔を潰された中国政府 証拠のビデオがでても揉め事は終わらない 海保の数では手に負えない
この記事の中でEconomistは、日本の問題点について具体的に指摘しているので、前回に引続き気分の良い話ではありませんが、欧米の金融界の声を紹介するという観点から、抄訳を中心に簡単に紹介してみたいと思います。 まず、記事の冒頭で Economistは、「わずか5年前まで、中国のGDPは日本の半分に過ぎなかった」と指摘しています。 そして、「人口が10倍の中国に、日本が経済規模でいずれ抜かれるのは、宿命であったとは言え、そのスピードは驚くべきものがある。わずか20年前には、世界一の座も狙えると言われていた日本が、世界第三位に転落したと言うのは、心の暗くなるような一大事である」と書いています。 そんな同誌が指摘する日本の問題点は、以下の通りです。 1.日本の「ボス」達は改革を拒んでいる 日本の政財界のトップは「現実の権力シフトを受け入れることを恐れているか、古くて慣れ親しんだモデルにしがみつ
1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。 莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見 地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見をお届けしよう。 バックナンバー一覧 この8月に、航空券市場に異変が起きた。 先日、日本に移住してかなりの年数が経つ新華僑経営者たちと一緒に食事をしていて、
普天間基地移設先は沖縄県内でなければならない理由・・・それは、地政学などといった御大層な代物を持ち出すまでもありません。事は単純に「ヘリコプターの航続距離の関係」だからです。 米海兵隊の大型強襲ヘリコプターCH-53E「スーパースタリオン」は2000kmのフェリー航続距離を持ち、戦闘時にはその半分1000km以下の航続距離となります。戦闘行動半径は500km以下、装備状態にもよりますが300〜500kmぐらいです。 それでは先ず台湾海峡有事を想定してみましょう。この際に日本政府は有事法を発動し、真っ先に下地島空港を接収、在日米軍に引き渡します。そして普天間基地の米海兵隊ヘリコプター部隊は、戦況次第で急ぐ必要がある場合は、強襲揚陸艦の到着を待たずに普天間基地から飛び立ち、台湾の首都・台北に直接ヘリボーン降下し、米軍による直接介入を果たします。そして帰りは下地島空港に降りて、燃料を補給して普天
いまちょっと都合でタイのバンコクに滞在している。ときおり日本には戻るが、数年ほどこちらにいる事になると思う。 バンコクは非常に栄えた国際都市で、そこらの日本の地方都市が見劣りするくらいの大都会だ。けれど貧富の差は激しい、超格差社会だ。 だから物価は安いと思ってた。実際安い。コーラは10バーツだし、大卒の初任給は12000バーツとか、院卒でも2万バーツはいかない。 今のレートだと1バーツは2.7円ほど。カオマンガイ*1というスープで炊いたご飯に鳥肉を乗せた料理がそこらの屋台で食えるのだが、これが30バーツほど。庶民の食べる食事として日本でいう牛丼みたいな位置づけ。レート的に考えると100円もしない激安料理なのだが、1カオマンガイ=1牛丼と考えると、こちらの本当の物価が見えて来る。 バーガーキングのワッパーJrセットが99バーツで、ポテトとコーラが付いて来る。こいつは3カオマンガイなので、レー
検索大手グーグルが進めている書籍全文のデータベース化を巡って、同社と米国の著作者らが争っていた集団訴訟が和解に達し、その効力が日本の著作者にも及ぶとする「法定通知」が24日の読売新聞などに広告として掲載された。 著作者らが自ら申請をしなければ、米国内でのデータベース化を拒めない内容で、日本の作家らには戸惑いもある。 集団訴訟が起こされたのは2005年。米国内の大学図書館などと提携し、蔵書をデジタル化して蓄積する計画を進めていたグーグルに対し、全米作家組合と全米出版社協会が、「著作権への重大な侵害」などとして訴えた。両者は昨年10月に和解で合意、今夏にも出される連邦裁判所の認可を待って発効する。 合意の対象は、今年1月5日以前に出版された書籍で、同社は、〈1〉著作権保護のために設立される非営利機関の費用3450万ドル(約32億円)〈2〉無断でデジタル化された書籍などの著作権者に対しての
とりあえず、速報的に、気になることをいくつか。 とりあえずの感想 イスラエル最高の文学賞、エルサレム賞が15日、作家の村上春樹さん(60)に贈られた。エルサレム市で開かれた授賞式の記念講演で、村上さんはイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に触れ、人間を壊れやすい卵に例えたうえで「私は卵の側に立つ」と述べ、軍事力に訴えるやり方を批判した。 …… 村上さんは、授賞式への出席について迷ったと述べ、エルサレムに来たのは「メッセージを伝えるためだ」と説明。体制を壁に、個人を卵に例えて、「高い壁に挟まれ、壁にぶつかって壊れる卵」を思い浮かべた時、「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と強調した。 また「壁は私たちを守ってくれると思われるが、私たちを殺し、また他人を冷淡に効率よく殺す理由にもなる」と述べた。イスラエルが進めるパレスチナとの分離壁の建設を意識した発言と
The Economistの先週号と今週号の記事を読んでいて「うまいこと言うなぁ」と思ったのは、イスラエルの戦略をtit-for-tat戦略であると表現していた点だ。Tit-for-tat戦略というのは、何らかの交渉事において、「とりあえず最初は相手と協力を試み、相手に裏切られたらこちらも裏切り、相手が協力する限りはこちらも協力し続ける」という、ゲーム理論ではおなじみのしっぺ返し戦略の一種だ。単純な割に効果の高い戦略として知られている(注1)。 実のところ、これはイスラエルの「抑止力戦略」そのものだ。敵国から攻撃を受けたら、あらゆる手段を用いてでも、倍返し三倍返しで反撃する。それを学んだ敵国は「イスラエルを攻撃すると後が面倒だ」と、攻撃そのものを控えるようになる。(原則としてこれは自衛のための戦略であるという点に注意。)この観点から見れば、死者の数に著しい不均衡が生じるのは、もともとの戦略
LLイベントでPerlを作ったラリー・ウォールさんをお招きして,お台場で食事会をしていたとき。一緒に来ていた息子さん(21歳くらい)と,英語には日本語の「いただきます」に相当する言葉がないんだってねえ,というようなお話をしていた。 息子さんは大の日本アニメ好きだというのを知っていたので,実際にアニメの食事シーンで「いただきます」がどう訳されているのか聞いてみたところ。どうやら「食べましょう」とか「おなか空いた」とかいうような意味の言葉に翻訳されることが多いらしい。「いただきます」だけじゃなくて「ごちそうさま」に相当する言葉もないらしい。「いただきます」は食べ物を作っている人や食べ物自体に感謝するための言葉だから,クリスチャンが食事前にお祈りをするのと同じですよね,と言ったら,「お祈りはしない」って言ってました。大抵黙って食べ始まるのだそうだ。 こんなことを思い出したのは,英文メールを書いて
世界一複雑な東京の電車システム、米国人記者の初体験レポート 2008年11月27日 社会 コメント: トラックバック (0) Dave Demerjian Photos: Dave Demerjian/Wired.com(以下同じ) 14の路線と882の駅を擁する、東京の驚くべき公共交通システムは、世界でも最も大規模で混雑している交通機関の1つだ。 曲がりくねった線が交錯する地下鉄路線図はジャクソン・ポロックの絵画のようで、その車内環境は「混雑」という言葉に新たな次元を与えている。東京に初めて出張で向かった時、このような事柄が私を少なからず緊張させていた。 私はパリ、ロンドン、ミュンヘン、さらにはブエノスアイレスの地下鉄を利用したことのある経験豊富な旅行者だが、それでも、これまで述べてきたような気持ちになった。今までの地下鉄に関しては、それほど問題なく何とか切り抜けてきた。だが、東京の地下
ホワイトバンドを運営していた「ほっとけない世界のまずしさ」が、まずしい世界をほっといて、自分だけとっとと解散してた。 なんだ。結局ほっとけるんじゃないか。そして彼らは世界を何も変えなかった。 やったことといえばホワイトバンドの活動の失敗(といってもいい)を、ただ「"アドボカシーキャンペーン"であることが日本では理解されなかった」と責任転嫁するだけだった。 違う。アドボカシーキャンペーンなのは別にいい(ここも多分に事務局が説明責任を怠った面はあるが)。炎上に一役かった当人としては「債権放棄じゃ救えない」ことを問題にしていた。結局、ここに関しては全く説明ないまま、ホワイトバンドは逃げ切った。 「アフリカが貧困で大変だから国に働きかけて債権放棄させます」ってそもそも意味が分からん。なにその徳政令? この問題の解決法は「最底辺の10億人」に詳しい。まぁ解決方法というか「自分たちの国は自分たちで何と
米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン前議長が「世紀のツナミ(津波)」と表現した金融危機に直撃された世界最北の島国アイスランド。国内大手3行の借金は国内総生産(GDP)の10倍以上にのぼる。自国通貨は暴落した。高金利、インフレ、失業…。32万人の国民は、政府や中央銀行への怒りを爆発させていた。(レイキャビク 木村正人、写真も)《怒りのデモ行進》 「辞めろ!」。1日、首都レイキャビクの目抜き通り。3000人がオッドソン中央銀行総裁(議長)とハーデ首相の辞任を求めデモ行進した。総裁の人形が“絞首刑”にされ、ブタの鼻をつけたハーデ首相の写真をプリントしたTシャツが掲げられた。コンピューター・エンジニアのバアルソンさん(52)は「国民がこれだけ集まり抗議するのは前代未聞だ。私たちは銀行がこんなに肥大化しているとは知らなかった」と怒りをあらわにした。 国内大手3行の莫大(ばくだい)な借金によ
米国に住んでいて「あー日本の家電はこっちじゃ売れないよなあ」と思ってしまう理由 Posted by yoosee on USA at 2008-11-11 12:00 JST1 あまりに未来方向に高機能すぎる日本の家電米国に住んで家電を使っていると、ああこりゃ日本の家電とは全然方向性が違うなと感じる。日本の家電はもう「白物」なんて言葉が似合わないほどにインテリジェント過ぎるのだ。日米で家電のセールスポイントを比べてみよう。 日本の洗濯乾燥機夜中に使っても大丈夫なくらいに静音 斜めドラムで洗濯物にアクセスしやすく水も少量でOK お風呂のお湯を利用して水を節約 (エアコンと同原理の)ヒートポンプや低温除湿機能で、乾燥での電気代とCO2排出を削減 オゾンを使った「水無し洗浄」を実現米国の洗濯機と乾燥機でかくて安いよ!冗談じゃなく、まあ実際それ以外にセールスポイントは見当たらない... と思う。ち
日本語が亡びるとき を読みました。普段は、あまり書評らしいものは書かないのですが、いろいろ確信が得られたので、熱が逃げない内に記します。 日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で 作者: 水村美苗出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/11/05メディア: 単行本購入: 169人 クリック: 12,641回この商品を含むブログ (456件) を見る この本で論じられている「日本語はこのままだと亡びる可能性がある」ということは、僕にとっては、若干背を向けたかった現実だったりします。僕は、英語が完璧にはほど遠いエンジニアの常として、なんだかんだ言って日本語をベースとした活動としています。「日本語が亡びる」ということは、それらの活動が将来的に無になってしまうことと、ほぼ同義です。 技術、特に情報科学・技術を専門としている身としては、英語が普遍語である、というのは、この本に教えられるまでもなく
誤訳御免! 外国人によるアニメ・マンガ評を翻訳します。 海外アニメフォーラムや、日本に関する英文記事も紹介 ALC -- NR2 -- YT -- Wik -- Goo -- Exc -- UrD お知らせ:コメントを書き終わり「書き込む」ボタンを押した後、コメントがブログ上に反映されるまでしばらく時間がかる場合があります。(9/6) (11/09)日本人て友達にするには礼儀正しすぎ?【海外掲示板】 (11/08)最終回で「何じゃこりゃ」と言わされた漫画は? 【海外アニメフォーラム】 (11/07)「オバマ当選で日本の小浜市は大歓喜だが君らはどう?」外国人オバマ事情 (11/06)ワンダフル!なアニメのシーンTOP10を語れ【海外アニメフォーラム】 (11/05)「ニンテンドーDSiのエロカメラが大変です」の海外反応 (11/04)「下手な日本語を使いたがる奴ってどうなの?」外国
いつも、私たちはドバイの建物の壮大さに驚かされていますよね。世界で一番背の高いビルとか、世界一長い橋とか、思いもよらないような形の建築物とか、兎に角ドバイには、スゴイものがバンバン建っていきますから。 去年Addyと私がドバイに行った時は、光輝く華麗な建築物の裏にある暗い苦難を見ることは無く…、そこらじゅうにある大量のコンクリート、グラス、銅を目にして、ただただ驚いていました。思ってみれば、建築物が建つということは、それを造っている人達がいるのは当然ですが、キラキラしたドバイの摩天楼の影は想像していたよりも真っ黒でした。 ドバイには、一歩間違ったら奴隷のような労働者が30万人も存在しているそうです。彼らは窮屈な強制労働収容所みたいなところで働かされ、中には命を落としてしまう人もいれば、ケガをしている人も少なくないとのこと。そんなリスキーな仕事なのに1日働いても、ほんの数ドルにしかならないと
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