今年の7月、南アフリカ共和国のダーバンで開かれた世界遺産委員会の会議で、「知床」など7つの自然遺産と17の文化遺産が新たに登録されました。 この中で「地理的」というか、「地図好き」のテーマとして注目に値すると思ったのが、「シュトルーヴェの測地弧」Struve Geodetic Arcです。 これは、なんと10ヶ国にまたがり、全長3000kmに近い長大な世界遺産です。これまでにも2ヶ国にまたがる世界遺産は幾つかありました。例えばモシ・オア・トゥニャ(ヴィクトリアの滝)。しかし、今回の10ヶ国とは大記録です。 さて、その実体は何か? それは、19世紀に行なわれた緯度差25度20分(弧長2822km)に及ぶ子午線測定の遺跡です。 この大測地事業を実行した帝政ロシア時代の天文学者シュトルーヴェ(Friedrich George Wilhelm Struve ドイツ生れ)は、約40年の歳月(1816
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