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ブックマーク / white-cake.hatenadiary.com (53)

  • 『むしろウツなので結婚かと』第21話~あなたが出した結論が正しい - wHite_caKe

    日12月22日に『むしろウツなので結婚かと』の第21話が無料公開されました。これが最終話となります。 comic-days.com 前回も書きましたけれど、約一年間にわたる連載におつきあいただいた皆様、ありがとうございました。 無料公開時に合わせて更新してきた文章も、これが最後となります。 連載中、一度こんな風に訊かれたことがありました。 「シロイさんと同じように、家族や身近な方がウツになり、どのように支えていけばいいのか、支えきれないのではないかと悩んでいる方も、読者の中にはいらっしゃるのではないかと思います。そのような方に、どんな言葉を届けたいですか? 乗り越えるためのアドバイスは何かありますか?」 私はその時、こう答えました。 「状況は人によって様々ですから、こうすれば乗り越えられると言えるものは特に無いと思っています。あえて言うのならば、ウツの方を支えるのは大変なことですから、無

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  • 『むしろウツなので結婚かと』第15話~そのひと手間がかけられない - wHite_caKe

    日8月18日に『むしろウツなので結婚かと』の第15話が無料公開されました。 comic-days.com 当時、セキゼキさん(仮名)の調子が崩れ始めていることに気づく朝ほど、最悪なものはありませんでした。 起きて部屋の様子を見れば、不調の波の訪れがわかるのです。 寝ようとしても眠れなかった苦闘の跡が、あちこちに残っています。ゲームが乱雑に散らばり、全く片付けられていない。 興味深いような気もするし、当たり前のような気もすることですが、セキゼキさんの調子が悪くなると途端に部屋は汚くなります。 昔読んだに「サバイバルで最も重要な心得は、疲れ切らないことだ」という一節がありました。 疲労困憊するまで活動した人間は、「やったほうがいいひと手間」をかけられなくなるというのです。 たとえば雨が降りそうな空の下テントを張るならば、水はけの良い場所を選ぶとか、溝を掘るとか、そういうひと手間ですね。

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    toya
    toya 2019/08/18
  • 『むしろウツなので結婚かと』第8話~治ってなくても気は焦る - wHite_caKe

    日3月17日に『むしろウツなので結婚かと』の第8話が更新されました。 comic-days.com セキゼキさんの症状が落ち着き始め、ウォッカも勝ち、私たちは喜びで自信を深めていくことになりました。 ああよかった、もう大丈夫、これから病気はどんどんよくなっていくだろう、未来に希望はあるもんね! という気持ちになってしまったのです二人とも。 とはいえ、セキゼキさんが復職を決めたときには、私は大いに焦りました。 「まだ働くとかそういう段階ではないよね?」 私が言うと、 「なんとかなるよ。なんとかする」 とセキゼキさんは答えるのでした。 だけど「なんとか」ってなんでしょうね? 何をすればなんとかなるんでしょうね? ウツは休息が大事と言うし、睡眠時間をもっと増やしてごろごろする時間を増やせば、そのぶん早く治るのかな? 薬を二倍のめば、加速度的によくなる? 鍼やお灸でウツがきれいに治るかも? ウツ

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    toya
    toya 2019/03/17
  • 『むしろウツなので結婚かと』第4話~石油王ならすべては解決 - wHite_caKe

    日1月13日に『むしろウツなので結婚かと』の第4話が更新されました。 comic-days.com セキゼキさんは、とにかく病院に行きたがりませんでした。 会社はこの時、かなり好意的に処理してくれていました。とはいえ、診断書もない状態で仕事を休み続けるのには限界があります。 今後休職するにしろ辞めるにしろ、とにかく病院に行く必要は絶対にあるんだというのが私の認識でした。 ところがセキゼキさんはそれに猛反発。 病院に行ってもいいことなど絶対にない。 ただ辛くて嫌な思いをするだけ。 それくらいなら病院に行かない。 会社が認めてくれないならこのままクビでいい。の一点張りでした まあ、私が石油王か何かでしたら、セキゼキさんの要望を優先するのもありでした。 「労働など気が向いた時にすれば良い。そなたは好きなようにせよ」 などと鷹揚に片付けて、セキゼキさんが会社をクビになったら油田の一つもプレゼント

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    toya 2019/01/13
  • 『むしろウツなので結婚かと』第3話~なんでそこが混ざった? - wHite_caKe

    日12月30日に『むしろウツなので結婚かと』の第3話が更新されました。 comic-days.com 今回はマンガの中には描かれていないけれど、あの夜に起きた出来事の話をします。 さて私はずいぶん昔、ブログに「集団墓参り」というお話を書きました。 white-cake.hatenadiary.com このお話は何だかちょっとほのぼの文で書いてあって登場する私も落ち着き払っているんですけれども、実際には全然こんな風ではありませんでした。 だってここに出てくる出来事は、ウツになったセキゼキさんがぐるぐると歩き続けたこの夜に起きたことだったのです。 この時、セキゼキさんはとにかく暗くて狭い道を選んで歩き続けました。 なんでそんなことをしたかっていうと第二話の中にあったように 「シロイの知らない場所に行って、会社の人間を呼び出したりできなくするため」 です。 (だけどこっちには会社の人間を呼ぶ気

    『むしろウツなので結婚かと』第3話~なんでそこが混ざった? - wHite_caKe
    toya
    toya 2018/12/30
    「「五十人ほどで墓参りをしている集団がいたのですが消えました。中には座高の高い人がいました。目撃したのはウツになって電車乗れなくなった私の彼氏です」(うん意味が分かんない! 警察に電話はやめよう!)」
  • 『むしろウツだから結婚かと』第二話〜訂正できないのが妄想だ - wHite_caKe

    日12月16日に『むしろウツなので結婚かと』の第2話が更新されました。 comic-days.com 今回はその第二話の中でセキゼキさんの身に何が起きているのかという話をします。 会社に行けなくなってしまったセキゼキさんは 「みんなおれに怒っている」 「もう許されない」 「仕事ができない自分は人としてダメだ」 などと自分を責める言葉を口にするようになったわけですが、この過剰な罪悪感と自己嫌悪と自罰的な態度はウツの間ずっと続きました。マンガで描かれたこの夜だけではなかったのです。 別に一日中 「おれはだめだ」 と呟き続けているわけではありません。それに近くなるときもありますけど、せいぜい長くて数時間程度のことですよ。24時間の大半は、そんなことは言わずにいます。 ですが行動とか考え方のベースには常に「おれはだめだ」という確固たる信念が、どすっと居座っているように思えました。 例えばタンスの

    toya
    toya 2018/12/16
  • 半分の優しさがいつでも通用するわけじゃない~『むしろウツなので結婚かと』第一話について - wHite_caKe

    さて、日2018年12月2日より、コミックDAYSで『むしろウツなので結婚かと』の連載が開始いたしました。 comic-days.com 折角の機会ですので、これからお話が更新される都度、原案者からひとこと的な文章を書かせていただきます。 当時はわからなかったけれど今になればわかること、学んだことなどありますので。 マンガを読む際のこぼれ話としてお楽しみいただけると幸いです。 というわけで文 ずっと昔、救急箱の整理をしていたら古い鎮痛剤が出てきて、なぜか半分だけ変色して茶色になっていたことがありました。 もう飲んじゃいけないやつだろうなコレと悟ってその場で捨て、 「なぜ半分だけ茶色かったんだろう?」 「もしかしてあれはバファリンだった? じゃあ変色していた半分は優しさ? それとも優しさ以外? ……やっぱり優しさだ。古くなりすぎてもう飲んじゃいけないってことを教えてくれたんだから。ありが

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  • 12月2日からコミックDAYSで「むしろウツなので結婚かと」の連載が開始します - wHite_caKe

    今年も残りわずかとなりました。年内にやっつけなきゃいけないタスクの多さに日々青ざめる今日この頃ですが、皆様はいかがお過ごしですか? さて2018年12月2日正午から、コミックDAYS上で私シロイが原案の『むしろウツなので結婚かと』の連載が開始します。 隔週日曜の更新となります。 コミックDAYSブログでの告知記事はこちらです。 comic-days.com この作品は私が当ブログで2010年頃シリーズで書いた「二年間のハジマリとオワリとツヅキ」を原案として、『鉄子の旅』『みんなのあるある吹奏楽部』の菊池直恵さんにコミカライズしていただいたものとなります。 漫画の内容はブログとイコールではありません。ブログ未掲載の文章も実はけっこうあって、菊池さんにはその内容も盛り込んでもらっているからです。 というわけで 「もうその話ブログで読んだしー。同じ話繰り返して読む趣味ないしー」 などということは

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    toya
    toya 2018/12/01
    「この作品は私が当ブログで2010年頃シリーズで書いた「二年間のハジマリとオワリとツヅキ」を原案として、『鉄子の旅』『みんなのあるある吹奏楽部』の菊池直恵さんにコミカライズしていただいたものとなります」
  • 父の親友とその裏面 - wHite_caKe

    昔、私の父シロイ・ネコヒコ(仮名)の職場にはドウドウさん(仮名)という二歳年上の先輩がいました。 二人はたいそう仲が良く、ドウドウさんの奥さんが出産なさったときは、独身だったネコヒコが名付け親になるよう頼まれたほどでした。 ネコヒコが母と出会ったときは、 「シロイの家にはティーセットがないだろう。彼女が家に来てくれたとしても、そんなんじゃ振られちまうぜ」 と言ってドウドウさんは高級なティーセットを揃え、ネコヒコのもとに持ってきてくれました。 私の故郷はたいそうな田舎です。ネット通販もなかった時代に珍しくて高級なティーセットを手に入れるのは、きっと大変なことだったでしょうに。 ドウドウさんはニコニコ笑いながら当然のように、手を尽くしてくれたのです。 幼い頃の私は、ドウドウさんにたいそう懐いていました。 私は彼を「じいちゃん」と呼んでおり、その都度両親は慌てて謝り、 「その呼び方はやめなさい」

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    toya
    toya 2018/10/08
  • 私の知ってるメシマズ話 - wHite_caKe

    ネットでメシマズ関連の話を見ていて、思い出した話をします。 なお、このお話はいつものごとく諸般の事情をかんがみて改変されておりますので、フィクションとおもってお読みください。あなたが似ている話を知っているとしても、それは偶然の一致であり、無関係です いとこのサミレさん(仮名)は私より20歳ほど歳上なのですが、口癖が 「結婚はお姑さんがポイント」 「お姑さんがきついと、なにもかもがきつくなる」 であることからわかるように、嫁姑のどろどろでむちゃくちゃに苦労している人で、昔からいろんな話をきいています。 若かりし頃のサミレさんは、近所でも評判の美人でした。また、当時の女性としてはなかなかの高学歴でもありました。そのためお姑さんからは 「息子を色気でたぶらかした」 「女のくせに頭でっかちで生意気」 などと言われたのでした。 いきなりきなくさいかんじでスタートした嫁姑関係ですが、決定的な亀裂が生じ

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    toya 2015/08/20
    「オカアサンヤスメハハキトク」とかよく悪口言われるけど、これを立派に作れるならめちゃくちゃ立派だしなあ
  • 遠くにありて思うもの - wHite_caKe

    私の故郷はかなりの田舎です。 夜空は澄み切った星の光に満たされて、水は碧くそしてしびれるほどに冷たく、吸い込む空気には木々の緑が溶け込んだ味がします。 美しい場所です。帰るといつもほっとします。 今朝私は妙に早く目が覚めてしまって、中島みゆきさんの「ファイト」を聞きながら、ぼんやりと涙を流していました。朝から暗すぎる。年取ると涙もろくなって嫌ねえ。 さて、「ファイト」は知らない方がいらっしゃるならぜひ知ったほうがいいと思いますので、とりあえずYoutubeへのリンクを貼っておきますが、それはともかく。 YouTube - ファイト 中島みゆき この歌の歌詞は全体にずっしりと重く、どこを一番重く感じるかは人によって違うのだと思いますが、実は私にとって以下の部分の歌詞は、すんごく重く感じられてしまうのでした。 薄情もんが田舎の町に あと足で砂ばかけるって言われてさ 出てくならおまえの身内も住め

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    toya 2015/07/21
  • 父が子育て身代金を減額した話 - wHite_caKe

    すげえ腹立つわ|愛情料理研究家 土岐山協子の 『料理はしないんだけど料理研究家のブログ』 この記事を読んで、思い出した話をします。 小学生の頃、母親がテニスサークルに通い始めて、時々家を空けるようになりました。 私は最初、とても驚いて戸惑いました。お母さんというのはいつも家にいる人だと思っていましたし、お母さんが家族と一緒に晩御飯をべないなんて想像を超えた事態のように思えました。 寂しさがなかったといえば嘘になります。手早く事を用意して、 「これとこれはちょっとあっためてべなさい。こっちはそのままで大丈夫」 などと指示をする母親は明らかにうきうきと楽しそうでした。自分たちを置いて出かけることを母親が楽しみにしているんだと感じた時、やっぱり多少のショックはあったのです。 ですがそれは、ほんの短い間だけのこと。 母が出かける最初の日、父親は張り切った様子で帰宅すると、こう宣言しました。

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    toya 2015/05/11
  • 人生激変報告 - wHite_caKe

    お久しぶりです。シロイです。ほんとはそこまで久しぶりじゃなかったかもしれないんですが、なんか気分的にすごく久しぶりなのですというか、なんだこのごちゃごちゃした前置き。 実は入院してました。出産したもので。そんで退院もしたんですが、ご多分に漏れず育児ってやつに忙殺されてます。 赤子、マジバネエ。こっちの生活、マジ根から変えてくる。なんせ言葉が通じねえ。 私は自分の過去話をブログに書いてるくせに、セキゼキ(仮名)さんと入籍してもう三年以上経つのにそのことに一切触れてなかったりします。だってなんか気恥ずかしかったし、時間が空いたらますます書きづらくなったよ? なので出産話も書かずにいくことも考えたんですが、さすがにコドモが生まれたらものの見方とか興味関心とか激変するかもしれないから書かないとか無理だなと思って今、なわけです。 高齢出産なのでなにがどうなるかわからないから無事生まれるまでは書かな

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  • 女子校出身者が娘を女子校に入れたがるワケのうちの一つかなあ。 - wHite_caKe

    私はもし自分が娘を持ち、彼女がうんと美人かうんとブサイクのどちらかだったら女子校への進学をすすめたいと思っています。そんで、そのどちらでもない親のひいき目からすれば世界一ラブリーだけれども世間的にはまあ並みだよね的な女の子であれば、共学に進学してほしいなと、昔からそのように思っています。 この思いが自分の個人的な経験から形成された偏った考えであることはじゅうじゅう承知していますので、漠然と「思う」だけで、実際にはどうこうするつもりはないんですけど。 私自身は、高校のみ女子校で過ごしました。なので、女子校というものにはメリットがあるな、と思っています。 色恋に関わることなく清らかに過ごせるとかじゃないですよ。女子校だろうとなんだろうと、行動力があって恋愛に興味がある子は、普通に恋人を作りますからね。 私の思う女子校のメリットの第一は、自立心が養われやすいところです。女子生徒しかいないので当た

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    toya
    toya 2014/09/12
  • 投げっぱなしキャッチボール - wHite_caKe

    はじめに 当ブログはしばしばかつて実際に起こったことを元ネタとしつつも、「大事なことは話が面白くなることだ、私は事実よりも娯楽性を重んじる!」というシロイの歪んだ信念によって、事実をある程度改変しています。なのでしょっちゅう「フィクションと思ってお読みください」と断りを入れているわけなんですが、今回はややノンフィクションよりに感じていただきたいと願う、その程度には勝手な人間です私は。 昔のこと 何年も前のこと。 その日飲み会帰りの私は、電車の中でぐっすりと眠りこけてしまいました。 「寝過ごしてますよ!」 耳元で誰かが叫び、びっくりして飛び起きたら、 「ほら、乗り換えはこっち!」 とその誰かが言って私の手を引っ張り、誘導されるままに折り返し電車に乗り込んで、気が付いたら見知らぬ男性と二人、隣り合って座っていたわけです。 その男性はものすごくにこやかな人で微笑みながらじっとこちらを見つめており

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  • 雪のバス停 - wHite_caKe

    雪が降ると、北で育った子供の頃のことを思い出します。 中学生のときのことです。その日は朝から雪が降り続けていました。 帰り道、私がバス停に行くと知り合いのおばあさんが、にこにこと話しかけてきました。 一時間に一しか通らないそのバスは利用者もきわめて少なく、バス停で私はいつも一人でした。 「おでかけですか? めずらしいですね」 おばあさんは嬉しそうに笑いました。 「息子たちの顔が早く見たくて」 街に住んでいる息子一家がバスに乗って来るから待ちきれなくて迎えにきたのだと、おばあさんは言いました。 おばあさんの家はバス停から20分ほど歩いたところにありました。遠いというほどではありませんが、雪の中歩くのに楽な距離ではありません。 私たちはバスが来るまでしばらく話をしました。体の芯から冷えるような日で、私は時々その場で足踏みをしながら、暖かいバスが来るのを心待ちにしていました。 ついさっき来たば

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    toya
    toya 2014/02/14
  • スラムダンク夫論 - wHite_caKe

    スラムダンクに関して、一つ不思議なことがあってね」 私が言うと、セキゼキさん(仮名)がちょっと嫌そうに顔をしかめました。 「なんで今更スラムダンクなんだよ……」 「いやいや、今更だからこその疑問ですよ。つまりね、スラムダンク連載中って、けっこう流川ファンが多かった気がするの」 「三井派も多くなかったっけ?」 「ミッチーはほんとにいいよね! 私も断然ミッチー派ですけど! でも当時は流川派が多かった」 「それで?」 「ところがこの年になって、スラムダンク懐古話になると、三井派が圧倒的多数なんだよ。スラムダンク好きの女性はオール三井好きだと錯覚しそうになる。この比率の変化は一体なんだ」 「そういえば、おれの周りも三井派がだんだん増えた気がする」 「仮説は二つ。年をとると共に嗜好が変わり、流川派の多くが三井派に流れたというものが一番目。流川派は既にスラムダンクのことなんて忘れて生きているが、三井

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    toya 2014/01/02
  • 消えた女の子 - wHite_caKe

    私が子供の頃住んでいたのはたいそうな田舎だったのですが、その中でも我が家は更に辺鄙な場所にありました。 幼稚園に入るまで、妹と私はお互いだけが遊び相手でした。我が家の半径3km以内には、他に子供がいなかったからです。 そのせいでしょうか。 幼稚園に入ってすぐに私は、自分の対人スキルが同年代の子と比べて大幅に劣っていることに気付きました。 遊びの仲間に入れない。 たまに入れてもらってもどんくさくて、みんなをイライラさせてしまう。 遠いとおい昔のことなのに、入園当時にあったいろんな出来事を、私は今でも思い出せます。 それだけ毎日緊張して過ごしていたのでしょう。 自分が他の子供と上手く遊べないことに気付いた私は、自分の何がそれほどまでに駄目なのか、いっぱい考えるようになりました。 かなしくて苦しかったですが、ぎゃんぎゃん泣きながらお母さんに引きずられて幼稚園にやってくる子が他にいたりしたので、自

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  • 二人目。カイちゃん(仮名)とそのまわりのおはなし その3 - wHite_caKe

    長々と続けてまいりましたモシノセ・カイ(仮名)ちゃんのお話は、日完結いたします。 その1はコチラ、その2はコチラでございますので、よろしくお願い致します。 クモの巣で散歩 カイちゃんがサークルに顔を出すことはますます減り、二年の秋から三年の夏にかけての頃は、カイちゃんがどこで何をやっているのか、サークル内で把握しているメンバーは最早ほとんどいない状態になっていました。 たまにサークルに顔を出すと見知らぬ男性と二人連れだっりするんですが、その男性たちの顔ぶれも時々変わる上に肩書きが「友達」だったり「彼氏」だったり「元彼」だったりフクザツで、何がなんだかよくわかりません。 サークルをやめることも華やかな恋愛遍歴も、すべて個人の自由ですから別にどうでもいいのですが、カイちゃんの場合は、ちょっと問題があったんでした。 「カイちゃんと連絡がとれない! いっつも留守電だし、昨日とか家に行ってもいない

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  • 一人目。クルハス・ヤミ(仮名)さんのおはなし その3 - wHite_caKe

    クルハス・ヤミさんのお話の続きです。 その1はコチラ、その2はコチラでございます。 クルハスの異常な友情 それからというもの、ライメイ(仮名)と私が大学内で一緒にいるとき、突然クルハスが現れて話しかけてくることが増えました。 「ライメイ!」 クルハスは私の方には見向きもせず、いつもにこにこしながらライメイに向かって話しかけます。 「いつもありがとうねライメイ。すごく助かってる。じゃあ今夜も電話するから。絶対だよ、絶対待ってて!」 クルハスから私に電話がかかってくることは、おかげで急速に減っていました。 珍しく久しぶりにかかってきたときは 「もしもしシロイ。ねーやっぱりライメイっていい子だね! シロイの言った通りだったわありがとう。私が悪かったね、ごめんね。ああそう、今夜もこれからライメイに電話なの、だからもう切るね。じゃあねーおやすみー」 と早口でまくし立ててあっという間に切れてしまい、と

    一人目。クルハス・ヤミ(仮名)さんのおはなし その3 - wHite_caKe
    toya
    toya 2013/06/09