10日、保釈金を積んでニューヨーク市内の勾留(こうりゅう)施設から釈放されたスティーブン・スレーターさん=AP 【ニューヨーク=山中季広】着陸直後の米旅客機の中で、身勝手な乗客に注意をして悪態をつかれ、危ない目にあった男性客室乗務員が「もうたくさん」と脱出シュートを使って滑り降り、そのまま帰宅した。逮捕されたものの、理不尽な客に悩まされている人々に共感の声が広まっている。 米ジェットブルー航空のスティーブン・スレーターさん(38)。ニューヨークの空港に9日到着した国内便に乗務していた。手荷物をめぐる客同士のいさかいが発端で、離陸前から客に何度も罵倒(ばとう)された。着陸後、勝手に立ち上がった客に「着席を」と注意したところ逆にののしられ、手荷物が自分の額を直撃した。 これで堪忍袋の緒が切れたスレーターさんは「機内で20年間働いてきたが、もううんざりだ。これまで尊厳と敬意を持って搭乗され