彼/彼女の皮膚感覚が熱かった時代を作った――『60年代のリアル』を書いた佐藤信氏(東京大学大学院法学政治学研究科修士課程在籍)に聞く(1) - 12/01/20 | 00:00 若い世代を書き手にする「社会論」の刊行が盛んだ。1988年生まれの異彩の政治学徒が「皮膚感覚」で読み解く、リアルな60年代、リアルな政治とは。 ──なぜ60年代に興味を持ったのですか。 最初のヒントは御厨貴先生に与えていただいた。親の世代も60年代を経験していない。まったくつながりがない世代だが、関係ないはずの時代や世代に相通じるものが感じられ、面白く見えた。なぜこんなに時代の離れている人たちに対し、ある種の感情移入といった不思議な感覚が起こるのか。まず「若さ」という面からとらえてみようというのが興味・関心だった。 60年代ブームが出版界に一時的にあった。ただそれらは60年代を経験した世代が書いている。でも読む