1870年にオーストリアのウィーン郊外で生まれたアルフレッド・アドラーは、人間主義心理学の源流として、アブラハム・マズローやエリック・バーン、アルバート・エリスなどに大きな影響を与えました。また、心理学界のみならず、『道は開ける』『人を動かす』などのデール・カーネギーの著作やスティーブン・コヴィーの『7つの習慣』にもその影響が見て取れるため、別名「自己啓発の父」とも呼ばれています。 本連載では、そんなアドラーが残した名言から彼の心理学のエッセンスを抽出し、ビジネスの現場での部下育成に応用する方法について学んでいきたいと思います。第1回目のテーマは「挑戦する部下と逃げ出す部下」です。 「挑戦」を選ぶ建設的行動と「逃避」を選ぶ非建設的行動 私たちの人生は困難に満ちあふれています。もちろん、仕事においてもそれは同じこと。では、人は困難に直面した時、どのような行動を取るのでしょうか。 ある人は困難