ファッションの秋。数多くの衣料品店が集積する福岡市・天神で「天神ファッションウイーク」と銘打つイベントがあった。店舗が軒を並べる商業施設や商店街が趣向を凝らした仕掛けで消費者を呼び込み、新作の秋冬物を売り込む企画。シンプルなネーミングから、年中どこかの街で開かれていそうな、ありふれた催事の印象もあるが、実は大違い。時代の潮流を映しつつ、天神の特性を生かした唯一無二の手法で臨む「挑戦」なのだ。 企画したのは、天神16の商業施設・商店街でつくる「天神ユナイテッド」(TU)。各施設を一つの「巨大な仮想モール」に見立て、共通スタンプの運営などに取り組むプロジェクト組織で、各施設が加盟する親睦団体「都心界」を母体に今春発足した。 イベントは衣料品業界で「秋の実売期」と呼ばれる11月上旬、12商業施設・商店街で1週間にわたり開かれた。天神地下街の通路をランウエーに女性モデル8人が練り歩くファッションシ