健康あってこそのスポーツなのに、勝利を追求するあまり、厳しい食事制限や、反対に無理やりたくさん食べることを強いられて、心身をむしばまれる選手がいます。トップ選手だけでなく、部活動に励む子どもたちも無関係ではありません。「食べること」に苦しむアスリートについて考えます。 陸上「体重軽く」の呪縛 国際大会で優勝経験がある女子マラソンの元トップ選手がコンビニで清涼飲料水や化粧品などを万引きしたとして窃盗罪に問われ、昨年11月、執行猶予付きの有罪判決を受けました。理由として本人が法廷で語ったのは、選手時代に食事制限が原因で始まった「摂食障害」でした。 裁判での証言などによると、厳しい体重制限などが原因で、現役時代に症状が出始めました。引退後も不安を感じると食べては吐く、の繰り返し。吐くための食費を惜しむようになり、食品を万引きするようになったそうです。地元の病院に通いましたが、身内から「恥さらしだ