◇「付け足し」は不起訴 若手美術家で今年“注目”を集めたのが、男女6人組の「Chim←Pom」(チン←ポム)だ。4月30日深夜、東京・渋谷駅構内にある岡本太郎の壁画「明日の神話」の右下端に、福島第1原発事故を想起させる絵を付け足した。「『明日の神話』は日本の被爆を扱ったクロニクル(年代記)。原発事故を、歴史的に位置づける必要があった」と5月に行為を公表。7月にメンバー3人が軽犯罪法違反(はり札)に問われて書類送検され、大きく報道されたが、先月、不起訴となった。メンバーは作品を通して何を歴史に刻もうとしたのだろうか。【岸桂子】 今月中旬、埼玉県東松山市の「原爆の図 丸木美術館」で開かれたチン←ポムの展覧会「LEVEL 7 feat. 広島!!!!」は、メンバーの意志を改めて示す内容だった。しかも、3年前の「騒動」と重なり合う形で。 3年前の「騒動」とは、映像作品にするのを目的に、広島市の上空