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ブックマーク / urag.exblog.jp (57)

  • 栗田出版販売の民事再生に関する心配事あれこれ(4) | URGT-B(ウラゲツブログ)

    ◆7月4日16時現在。 弊社にとって2001年12月7日の鈴木書店の倒産は衝撃でした。第一作出版後の三ヶ月めで、創業一周年の佳き日でした。負債額は今回の栗田で想定されるものより上でした。鈴木書店は専門書取次で、人文書版元の依存度は高かったのです。同業の知人から「良く生き残ったよね」と言われました。 あれから十数年。取次第3位の大阪屋は昨秋、楽天、DNP、音羽(講談社)、一ツ橋(小学館、集英社)、角川の援助を受けて踏みとどまり、取次第5位の太洋社は危機を回避すべく昨夏に社を移転して、先月からは新刊配を王子日販に業務委託しました。それからわずか一ヶ月も立たない先週金曜日に第4位の栗田が民事再生法適用の申請です。ここしばらく、新たな重大案件が持ちあがるサイクルが確実に短くなっています。 大阪屋が栗田を倒産前に合併することは無理だったわけです。たとえ1,000社以上の版元が膨大な債権を放棄して

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  • 栗田出版販売の民事再生に関する心配事あれこれ(3) | URGT-B(ウラゲツブログ)

    ◆7月2日15時現在 東京商工リサーチの「TSR情報」(全国版)案内速報7月1日号として栗田出版販売の債権者リストが掲載され、同7月2日号では「その2」が掲載開始になりました。名簿が長大なものになっているだろうことが窺われます。債権者リストは会員登録(月額使用料あり)の上、倒産企業1件あたり2,000円、パソコン画面での一覧表示が1画面あたり100円~1000円(リストの長さによる)とのことです。帝国データバンクでもいずれ債権者名簿を見れるようになるのかなと思います。「帝国ニュース購読者限定サービスとして、債権者名簿を閲覧・検索したり、ご指定の業種・エリアの倒産速報をメールで受け取れるオンラインサービスもお使いいただけます。※ご利用には帝国ニュースを購読の上、ユーザ登録が必要です」と。 閲覧された方々の感想がつぶやかれ始めています。 「栗田出版販売株式会社の債権者名簿見てるけど、でかいとこ

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  • 栗田出版販売の民事再生に関する心配事あれこれ(2) | URGT-B(ウラゲツブログ)

    ◆30日午前11時現在 7月6日(月)の債権者集会までに出版社が点検しておくべきことと対処すべきことについて、ごく簡単にまとめておきたいと思っています。色々と複雑な事情があって、取次、運送会社、版元、流通倉庫、書店、図書館のそれぞれの現場に混乱をもたらしうる要素があり、一般のお客様も一概に無関係ではありません。どこまで書けるか、書くべきか難しいところです。当然書けないこともあります。書けたとしてもはっきりとは明示できないこともあります。困ったものです。このエントリーは随時更新の予定です。 【30日15時特記:栗田さんの山高秀社長のお名前で出版社に配布された6月26日付文書「栗田出版販売株式会社民事再生手続き開始の申立てについて」の第2項「当面の取引及び今後の再建の見通し」で書かれていることについて、版元がマークしている焦点はずいぶんはっきりしてきました。また、そうした案件に版元が対応する

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  • 大冊『デリダ伝』と評伝『モーリス・ブランショ』 | URGT-B(ウラゲツブログ)

    ◎大冊『デリダ伝』と評伝『モーリス・ブランショ』 『デリダ伝』ブノワ・ペータース著、原宏之・大森晋輔訳、白水社、2014年12月、体10,000円 『モーリス・ブランショ――不可視のパートナー』クリストフ・ビダン著、上田和彦ほか訳、水声社、2014年12月、体8,000円 人文書新刊の年末の大きなニュースは何といってもピケティ『21世紀の資』(みすず書房)の刊行でした。700頁を超える大冊で約6000円もする高額であるにもかかわらず、大手書店チェーンでの実売数は私個人の予想をはるかに超えたものでした。ビジネス人文書における、サンデルや超訳ニーチェ以後の最大級のヒット作になりつつあります。すでに関連書が複数冊あり、今後も増えることが予想されます。 ピケティに比べると一般的な認知度が低いかもしれませんが、年末の思想書界隈では重要な新刊が2点発売されました。デリダ伝とブランショ伝です。デ

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    tsysoba 2015/01/17
    『ヤン・パトチカのコメニウス研究』に関連して書かれていた「高く評価している編集者に研究者が出会えるとは必ずしも限らない」という話が気にかかる。
  • 有形文化財、熊本・長崎次郎書店が来月いよいよリニューアルオープン | URGT-B(ウラゲツブログ)

    2014年7月14日(月)リニューアルオープン 長崎次郎書店:40坪(うちギャラリー2坪) 熊県熊市中央区新町4-1-19 明治7年1874年創業の老舗であり、保岡勝也設計の登録有形文化財でもある歴史的店舗「長崎次郎書店」が昨年来の休業を経ていよいよ復活します。トーハン帳合で、弊社には人文書や文芸書のご発注いただきました。休業前は政府刊行物を中心に扱う書店でしたが、昭和期にのれん分けした長崎書店が経営を引き継ぎ、文芸・芸術・人文・郷土・児童書・ライフスタイルといった諸分野に力を入れるほか、雑誌やコミックも扱い、さらに木のおもちゃなども販売するそうです。選書は店主代理を務める若き書店マイスター児玉真也さんが行われているので、こじんまりした屋ながらきっと個性的な品揃えが光る屋になるだろうと思います。有形文化財の建物は伝統美に輝いており、路面電車や古い街並みはまるで古き良き時代にタイムス

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  • 注目新刊と既刊:ケプラー『新天文学』工作舎、ほか | URGT-B(ウラゲツブログ)

    新天文学――楕円軌道の発見 ヨハネス・ケプラー著 岸良彦訳 工作舎 2013年11月 体10,000円 A5判上製688頁 ISBN978-4-87502-453-8 帯文より:ティコ・ブラーエとヨハネス・ケプラー、二巨星の邂逅がもたらした天文学革命。ラテン語原典より邦初の完訳。 カバーソデ紹介文より:惑星軌道は古代ギリシア以来考えられていた円ではなく、楕円を描いていた! ティコ・ブラーエより膨大な火星の観測データの解析を託されたケプラーは、試行錯誤のはてに、コペルニクスはもとよりガリレオも前提としていた円を脱却し、楕円軌道の発見にいたる。近代天文学への扉を開いたケプラーの第1法則、第2法則発見プロセスの全容。ラテン語原典より邦初の全訳。 ★発売済。『宇宙の神秘――五つの正立体による宇宙形状誌』(大槻真一郎・岸良彦訳、工作舎、1982年;新装版、2009年)、『宇宙の調和――不朽

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    tsysoba
    tsysoba 2013/12/10
    『新天文学』はラテン語からの全訳。「翻訳開始当初は出版のあてもなく、大学の紀要に2003年から2008年度にかけて掲載」とのこと。揺り籠としての大学紀要か。
  • 注目新刊:創刊50周年、東洋文庫新刊と東洋文庫倶楽部、ほか | URGT-B(ウラゲツブログ)

    論語集注1 朱熹著 土田健次郎訳注 東洋文庫/平凡社 2013年10月 体2,900円 全書判上製函入380頁 ISBN978-4-582-80841-4 帯文より:朱子学という巨大な哲学体系を背景に『論語』を注解した『集注』は、以後「新注」と呼ばれ、論語受容の新地平を拓いた。仁斎の『古義』徂徠の『徴』の注解も加え、その批判的軽症の跡も辿る。 ★まもなく発売。「東洋文庫」第841巻。「集注」は「しっちゅう」と読みます。このたび第1巻が刊行される訳注書は全4巻。第1巻は訳注者まえがきを巻頭に置き、「論語序説」「論語集注巻一」(学而第一、為政第二)、「論語集注巻二」(八佾〔はちいつ〕第三、里仁第四)を収めています。『論語集注』は『大学集注』『中庸集注』『孟子集注』と合わせ、「四書集注」の一つ。朱子が48歳頃の著作です。訳注者まえがきで書は「道学の『論語解釈』の統一作業の成果」と紹介されてい

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  • 注目近刊と新刊:『考える人』夏号「特集:数学は美しいか」、ほか | URGT-B(ウラゲツブログ)

    考える人 2013年夏号 新潮社 2013年7月4日発売 体1,333円 B5判並製264頁 JAN:4910123050836 ★発売済。目次詳細は誌名のリンク先をご覧ください。特集「数学は美しいか」では先日『ルールズ・オブ・プレイ』を完訳された山貴光さんが縦横に活躍されています。特集のイントロダクションである「数学の愉悦を味わうために」や、ブックガイド「発見と難問の森に遊ぶ――入門から専門級まで」(48冊を紹介)を執筆され、さらに、作家の円城塔さんへのインタビュー「天才数学者は、変人とはかぎらない」や、科学史家の伊藤俊太郎さんへのインタビュー「人は数学に何を求めてきたか」、人工知能研究者の三宅陽一郎さんへのインタビュー「人工知能数学を理解できるのか」、以上三での聞き手をつとめ、その上、天才数学者テレンス・タオ(Terence Tao, 1975-)教授の論文「素数の研究――その

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    tsysoba 2013/07/08
    東洋文庫の『目録学発微―中国文献分類法』の紹介もあり。
  • 明日発売:『思想』第7号「ポール・ド・マン――没後30周年を迎えて」 | URGT-B(ウラゲツブログ)

    明日発売の岩波書店さんの月刊誌「思想」はポール・ド・マン特集です。読み応えのある特集号で、必読です。弊社出版物の著訳者も参加されています。 ★宮崎裕助さん(共訳書:ポール・ド・マン『盲目と洞察』) ★吉国浩哉さん(訳書:ロドルフ・ガシェ『いまだない世界を求めて』) ★ポール・ド・マンさん(著書:『盲目と洞察』) ★ヴェルナー・ハーマッハーさん(著書:『他自律』) ★ロドルフ・ガシェさん(著書:『いまだない世界を求めて』) ★清水一浩さん(共訳書:アレクサンダー・ガルシア・デュットマン『友愛と敵対』) ★木内久美子さん(共訳書:ポール・ド・マン『盲目と洞察』) 思想 2013年第7号 no.1071 ポール・ド・マン――没後30周年を迎えて 目次: 思想の言葉 (ショシャナ・フェルマン/下河辺美知子訳)3-5 〈座談会〉ポール・ド・マン再考 (土田知則・巽孝之・宮崎裕助)6-42 ポール・ド

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    tsysoba 2013/06/24
    「「出版社・出版者は、一種の仲介役に見えますが、真摯な創造的使命を担っています。該博な知識は言うに及ばず、天賦の才能を自然に具えていなければなりません。」ド・マン読みたくなってきたかも。
  • 注目新刊:ミュラー『メディアとしての紙の文化史』東洋書林、ほか | URGT-B(ウラゲツブログ)

    ◎東洋書林さんの新刊:まもなく発売となる、5月14日取次搬入の新刊をご紹介します。紙を三つの視点から概説した魅力的な研究書で、「物質としての紙」「蓄積と伝導の媒体としての紙」「紙の時代」が解説されています。三つ目の「紙の時代」というのは、「デジタル技術を応用した蓄積・流通メディアの先史」であり、著者がその重要性を「過去の歴史のなかにこそ、未来へのヒントが隠されている」と評価している「アナログな」紙の年代記です。製紙技術の発達についてだけでなく、西洋文学史が紙の歴史との関わり合いの中で論じられます。業界人必読の書ではないかと思います。 メディアとしての紙の文化史 ローター・ミュラー著 三谷武司訳 東洋書林 2013年5月 体4,500円 A5判上製402頁 ISBN978-4-88721-813-0 帯文より:〈カミ〉はシヌノカ・・・? 人が漉き、記し、読み、保ち、汎め〔ひろめ〕(包み)、

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    tsysoba
    tsysoba 2013/05/13
    目次見ただけだと扱っている時代の範囲がよくわからない…
  • 注目文庫新刊:2012年2~3月 | URGT-B(ウラゲツブログ)

    ★今月来月の文庫新刊の中から気になる書目を抜き出します。 ◎2012年2月 2月1日 草思社文庫『銃・病原菌・鉄(上・下)―― 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』ジャレド・ダイアモンド/倉骨彰訳 2月8日 ちくま学芸文庫『「伝える」ことと「伝わる」こと――中井久夫コレクション』中井久夫 2月8日 ちくま学芸文庫『ゴダール 映画史(全)』ジャン=リュック・ゴダール/奥村昭夫訳 2月8日 ちくま学芸文庫『フンボルト 自然の諸相─―熱帯自然の絵画的記述』アレクサンダー・フォン・フンボルト/木村直司訳 2月8日 ちくま学芸文庫『ニーチェ――自由を求めた生涯』ミシェル・オンフレ原作/マクシミリアン・ル・ロワ画/國分功一郎訳 2月9日 ハヤカワ文庫『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上・下)』マイケル・サンデル/NHK「ハーバード白熱教室」制作チーム+小林正弥+杉田晶子訳 2月10日 講談社学

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    tsysoba 2012/02/19
    最後の岩波文庫版『善の研究』リニューアルの話が印象的。本の価格をその観点からは見てなかったなあ。
  • 紀伊國屋じんぶん大賞2011フェア、特製小冊子配布開始 | URGT-B(ウラゲツブログ)

    紀伊國屋書店新宿店5F人文書売場で好評開催中のブックフェア「紀伊國屋じんぶん大賞2011」で、記念の特製小冊子の配布が始まりました。先週から配られていますが、今週、誤植を修正した改訂版が出来上がり、店頭とウェブで入手可能です。 左開きで「読者が選ぶ人文書ベスト30の発表!」が読めます。じんぶん大賞を受賞した國分功一郎さんの『暇と退屈の哲学』(朝日出版社)への読者投票による選評と、國分さんの受賞コメント、そしてベスト30位+時点3冊の紹介と選評が載っています。PDFはこちら。なお、受賞記念のイベントとして、國分さんによる公開授業「欲望と快楽の倫理学 序章」が、来たる3月9日に紀伊國屋サザンシアターで予定されています。「『暇と退屈の倫理学』では答えられなかった問い、それが〈楽しむこと〉についての問いです。〔…〕この授業から、続編『欲望と快楽の倫理学』の探求が始まります」とのこと。 右開きでは

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  • 「新書大賞2012」が「中央公論」3月号で発表 | URGT-B(ウラゲツブログ)

    明日10日発売の月刊誌「中央公論」2012年3月号で、毎年恒例の「新書大賞2012」が発表されます。内容は、「〈新書通六七人が厳選した〉年間ベスト10」(20位までを選書コメント付きで紹介)、「大賞受賞記念対談」橋爪大三郎×大澤真幸、「惜しくもランク外ながら良書礼讃の熱き1票」、「2011年新書売り上げベスト20」(紀伊國屋書店のパブラインのデータをもとに作成)、対談「出版の意味が問い直された二〇一一年――新書はまだまだ捨てたものじゃない」永江朗×宮崎哲弥。 ベスト20冊をすべてネタバレするわけにはいきませんが、1位=大賞は、対談者のお名前からお気づきになる通り、『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書;売り上げでは12位)です。第2位が古川隆久『昭和天皇』(中公新書;売り上げでは20位までのランク外)、第3位が中野剛志『TPP亡国論』(集英社新書;売り上げでは14位)。私が票を投じた5点の

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    tsysoba 2012/02/09
    ちょっとのぞいてみるかなあ。
  • 未來社新刊『出版文化再生』と非売品『ある軌跡――未來社60年の記録』 | URGT-B(ウラゲツブログ)

    月刊PR誌「未来」につい先日まで約15年間連載されていた西谷能英社長の「未来の窓」が一冊のになり、先月末に発売されました。『出版文化再生――あらためての力を考える』です。A5判並製で500頁を超える大冊。「出版とは闘争である」(表1)、「専門書こそが〈世界〉を創造する」(背)という二つの帯文が鮮烈です。書と同時に、未來社の社史である『ある軌跡』も刊行されました。こちらは非売品。創立60周年を記念するもので、20年ぶり6度目の編纂となります。かく言う私めも、未來社の出身者ということで、小文「未来の門をたたく」を寄せております。その中でちょうど私も「出版とは文化の戦いである」と書きました。社会運動としての出版というのは、特に人文系の一部の版元にその意識が強いかもしれません。よく世間では十把一絡げに「出版社」としてくくられてしまうわけですが、出しているが違えば、また運営理念や営業体制も異

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  • 2011年8月の注目新刊 | URGT-B(ウラゲツブログ)

    ★今月発売された新刊の中からいくつかご紹介します。キーワードは「サンデル・ブーム」以後。サンデルに啓発されて「自ら考え、発言し、また人の発言に耳を傾ける」というミニマルな政治的実践の倫理から出発しえたであろう現代日の読者にとって、東日大震災のインパクト後のこんにち、さらなるどんな読書体験への誘いが示されているのでしょうか。各版元は知恵を絞って様々な新刊を出しています。屋さんを覗いてみれば、今の世相やこれからの世界がかいまみえてくるかもしれません。 3・11の未来――日SF・創造力 笠井潔・巽孝之監修 海老原豊・藤田直哉編 作品社 2011年9月 体1,800円 A5判並製400頁 ISBN978-4-86182-347-3 帯文より:小松左京、最後のメッセージ。豊田有恒、瀬名秀明、新井素子、押井守ほか、SF作家ら26名が、いま、考える科学と言葉、そして物語……。 ★先週木曜日2

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    tsysoba 2011/08/29
  • ウェブ連載:ルソー『化学教程』翻訳プロジェクト | URGT-B(ウラゲツブログ)

    第1回「ルソーは化学にどのような夢を見たか?」 2011年6月28日 淵田仁 ◆知られざる著作 2011年6月28日。今日はルソーの299回目の誕生日である。そして、来年は彼の生誕三百年にあたる。そのため、来年、ルソーの生地であるジュネーヴやフランスにて様々なイベント、シンポジウムが行われる。 このような記念すべき日を前にして、私たちはルソーの知られざる著作を読み解きはじめたいと思う。その知られざる著作とは、ルソーが私たちのよく知っている「政治思想家ルソー」になる以前に書かれたものである。すなわち、パリでの論壇デビュー作品『学問芸術論』(1750年)が書かれる以前に書かれた作品であり、ルソーの思想が開花する後の『人間不平等起源論』(1755年)や『社会契約論』(1762年)以前に執筆された。 その作品は『化学教程Institutions chimiques』と名付けられている。フランスのル

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  • 「新書大賞2011」発表@「中央公論」2011年3月号 | URGT-B(ウラゲツブログ)

    明日10日発売の月刊誌「中央公論」2011年3月号で、恒例の「新書大賞」が発表されます。これで4回目になりますか。私は別冊になった2回目から参加させていただいています。別冊になったのは2回目と3回目ですね。4回目は1回目と同じ、月刊誌の特集になっています。 ◎決定! 新書大賞2011(20-40頁) 今年度No.1の新書を発表します〈新書通七〇人が厳選した〉年間ベスト10 新書大賞2011大賞受賞インタビュー『宇宙は何でできているのか』(村山斉) 入賞作品紹介 新書「冬の時代」それでも読むべきはこれだ! (対談=永江朗×宮崎哲弥) ちなみに私が推薦したのは以下の5点です。 『ポストモダンの共産主義』スラヴォイ・ジジェク著、ちくま新書 『ミドルクラスを問いなおす』渋谷望著、生活人新書(NHK出版新書) 『知性の限界』高橋昌一郎著、講談社現代新書 『現代語訳 武士道』新渡戸稲造著/山博文訳

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  • 本のスキャン代行(いわゆる自炊代行)について | URGT-B(ウラゲツブログ)

    「讀賣新聞」10年6月12日配信の社会欄記事「iPad向け、の「格安」電子化業者が出現」にはこう書かれています。 「東京のある業者は4月、を裁断して1ページごとにスキャナーで読み取り、PDFと呼ばれる電子文書形式に変換するサービスを始めた。の送料は自己負担だが、1冊分のデータを100円でホームページからダウンロードできるサービスが評判を呼び、注文が殺到。スキャナーの台数などを増やしたが、注文から納品まで3か月待ちという。(中略)都内の別の業者も5月末に営業を始め、2日間で200人以上の申し込みがあったという」。 また、「J-CASTニュース」10年6月9日付の経済欄記事「100円で書籍まるごとスキャン 申し込み殺到し数か月待ち」では、大和印刷の「ブックスキャン(BOOKSCAN)」について紹介しています。 BOOKSCAN(合同会社大和印刷、三軒茶屋)のウェブサイトを見てみると、「サ

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  • ゼロ年代から10年代へ:人文系小規模出版社たち | URGT-B(ウラゲツブログ)

    いまから一年ほど前、09年4月22日に行われた東京外国語大学出版会の発足記念特別シンポジウム「人文学の危機と出版の未来」にパネラーとして出席した際、私は「ゼロ年代の人文系小規模出版社」「インターネットと人文系小規模書籍出版」「業界再編期の人文書販売」の三つのテーマで簡単な報告を行いました。その中で、自己紹介も兼ねて概観した「ゼロ年代の人文系小規模出版社」で、私が挙げたのは以下の出版社です。 ●「ゼロ年代の人文系小規模出版社」 月曜社:2000.12.~ 株式会社批評空間:2001.2.~2002.8.(代表・内藤裕治さん:02年5月19日死去、享年38歳) トランスビュー:2001.4.~ 双風舎:2003.9.~★ 書肆心水:2004.8.~★ 洛北出版:2004.9.~ 左右社:2005.4.~★ ※現在はJRCさんだけでなく、他取次との口座も開かれています。 有志舎:2005.11.

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  • 大規模デジタル化時代と読者 | URGT-B(ウラゲツブログ)

    東京都古書籍商業協同組合が創立90周年の記念に、「日の古屋シンポジウム:滅亡か、復権か――大規模デジタル化時代との可能性」という催事を4月14日に開催するそうです。「滅亡か、復権か」とはすごいタイトルですね。滅亡するのか復権するのかはともかくとして、「大規模デジタル化時代」がどう推移していくのか、読者にはどんな機会が訪れるのか、そのへんの話題は昨今尽きることがありません。 たとえば、アマゾンの電子書籍リーダーKindle DXが今年から日でも買えるようになりましたね。4万円以上するので、短期間で爆発的に普及することはないと思いますが、米国でプライム会員に無料配布する計画があるようで、日でもし同じ計画が実行されるならば競合機種には大きな脅威になりうるかもしれませんね。以下は参考記事。 調査リポート:電子書籍が「普及」または「普及しない」理由 [土肥義則,Business Media

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