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ブックマーク / magazine-k.jp (293)

  • 日本独立作家同盟がNPO法人化へ

    インディペンデント作家の創作と出版活動を支援 日独立作家同盟は、「マガジン航」でも寄稿者として活躍するフリーライターの鷹野凌さんが2013年9月1日に設立した、インディペンデント作家の創作と出版活動を支援するための団体です。 「マガジン航」では鷹野さんに、これまでに何度か日独立作家同盟と「群雛」について記事を書いていただきました。これらの記事をお読みいただくと、その結成から現在までの経緯がよくわかると思います。 インディーズ作家よ、集え!(2013年10月31日公開) 同人雑誌「月刊群雛 (GunSu)」が目指すこと(2014年1月28日公開) 同人雑誌「月刊群雛 (GunSu)」の作り方(2014年3月31日公開) 上の記事でも紹介されているとおり、日独立作家同盟では雑誌「月刊群雛」を電子版とオンデマンド印刷版の両方で毎月刊行するほか、Google+でのコミュニティや「群雛ポータル

  • わが実家「蔵書放出祭」始末記

    「あのをどうしよう……」 奈良の実家の親から「実家を売ろうと思っている」と電話で言われた時に、私の脳裏に最初に浮かんだのは、実家に溜め込んだやCDのことだった。 小さい頃からの好きが高じて図書館に職を得ているが、そもそも、私は「床が抜ける」ほどのもCDも持っていない、その辺にいる「ちょっと音楽が好きな一社会人」である。読書量にすれば年間100冊も読むかどうか。職業柄、を大量に購入・所蔵する必要がある人々と比べれば、所詮は趣味、多寡が知れている。おまけに、結婚して子どもが産まれるに及び、やCDを買うお金も、置くためのスペースも極めて限定されるようになってしまった。結果として、蔵書点数の伸びはここ数年、鈍化する一方だ。 それでも、増えた。故・草森紳一氏は、 「はなぜ増えるのか。買うからである。処分しないからである。」(『随筆 が崩れる』、文藝春秋、2005年) と書いている

    tsysoba
    tsysoba 2015/02/19
    福林さん!
  • 「電子空間の中の文学」に向けて

    ここまでの道のりは遠かった――。先週アマゾンがMac向けデスクトップ用読書アプリ、Kindle for Macを日語対応させたのを受けて、さっそくダウンロードして使ってみての率直な印象です。ああ、これでやっと「電子書籍」の最初のステージが完了したのだな、との思いを深くしました。 Kindle英語版と日語版とでは、これまでもサービスの投入時期にタイムラグがありました。Kindle for PC/Macの日語対応は、とりわけリリースが望まれていたもので、私自身もそれを待ちかねていた一人です。 すでにアマゾンは1月21日にPCWindows OS)向けのKindle for PCを日語対応させており、今回のKinde for Macはそれに続いたもの。また、このほかにKindle Cloud Readerも日語対応が少しずつ進んでおり、画像の書籍・雑誌・マンガであればウェブブラウザ

  • なぜ「悪いこと」は「良いこと」より強いのか

    どこで暮らしていても、言いたいことを言わなくてはならない状況に直面することがある。僕の場合は、それがニューヨークで起こるため、必然的に人種や背負っている文化の違う人々との争いとなる。 自分を出していくのをよしとする人々が多いなか、僕も何度かは正面を切って相手と争ったことがある。そんないざこざの中でも、はっきりと記憶に残る争いがある。それは子供に関わることで、ある白人家族と言い争いになったものだ。これは僕と、向こうの夫婦、そしてベビーシッターまでを巻き込んだ争いになった。子供たち同士は仲が良いということで、幸い子供たちを巻き込むことはなかった。 数度の口頭での言い争いを経て、僕は彼らに文句のメールを出すことにした。こちらの主張をはっきり書き、いかにこちらの言い分が正しいかを書いた。不思議なことに、心の中にあった彼らに対する否定的なことを全部書いたら、気持ちが晴れ、さばさばした気分になった。

    なぜ「悪いこと」は「良いこと」より強いのか
  • 新年に考える〜『21世紀の資本』を読んで

    あけましておめでとうございます。今年も「マガジン航」をよろしくお願いいたします。さっそく新年最初のエディターズ・ノートをお送りします。 今年に入って私がはじめて買ったは、トマ・ピケティの『21世紀の資』(みすず書房)でした。すでにアメリカではベストセラーになっており、昨年12月に日版が刊行されると国内でも大きな話題となりました。定価が5940円(体5500円)もする高額なであるにもかかわらず、アマゾンでも日時点でランキング総合一位となるなど好調で、さっそく重版がかかったようです。 海外でベストセラーになったからといって、日でも同じように売れるとは限らないのが出版ビジネスの難しいところですが、『21世紀の資』の翻訳版は日でも同様に成功しそうです。事前にさまざまな雑誌が特集を組んだり、解説記事が書かれたこともありますが、そうしたことがなされた理由の一つとして、ウェブサイトでの

  • インフォメーション(The Information)

    今年は新著『テクニウム〜テクノロジーはどこへ向かうのか?』(原題 “What Technology Wants “)が邦訳され、来日も果たしたケヴィン・ケリー。彼が2011年に行ったジェイムズ・グリック(『インフォメーション〜情報技術の人類史』)へのインタビューの抄録が、堺屋七左衛門さんのブログ「七左衛門のメモ帳」で、クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利-継承 4.0 国際ライセンスのもとで翻訳・公開されました。電子書籍やネット時代の出版にかんする議論が展開されており、きわめて興味深い内容ですので、同様の条件で「マガジン航」にも転載いたします(編集部)。 * * * 今月のワイアード誌で、私はジェイムズ・グリックと対談して、グリックの新刊について話を聞いた(訳注:原文発表は2011年3月)。まず、その記事の抜粋を示す。その後に、未公開対談の一部を掲載する。 情報はあらゆる所を流れている。

  • 中国語繁体字の標準化にぶつかって

    今年の10月、私はサンフランシスコで行われるW3C主催のTPACというイベントとブック・イン・ブラウザ会議に参加するため、シリコンバレーに向かった。 太平洋を越えて台湾からアメリカ西海岸へ行くには、とても費用がかかる。数年前、私がまだ取材記者だった頃は、東京、香港、上海、サンフランシスコ、クパチーノなどで行われるIT企業主催のメディアツアーによく招待された。しかしいまや私は、収益の安定しないスタートアップ企業の経営者である。いちばん安い宿と航空券をみつけても10万台湾ドル(日円で約40万円)の出費となり、自分の事業になんら利益をもたらさないかもしれない旅行にとってはとても痛い。 そこで私は、9月に自分のブログに、この会議に参加しなければならない理由を書いた記事を投稿して資金援助を募り、ペイパルと銀行の口座を用意した。二週間もしないうちに、クラウドファンディングは成功した。 標準化の世界と

  • いまなぜ本屋をはじめたいのか

    はじめまして。『BOOKSHOP LOVER』という活動をしております和氣正幸と申します。 この度、『屋入門 ~あしたから屋さん~』というゼミをはじめることになりました。動機は簡単で、 「好きなことがやれる屋をつくりたい。しかも普通の屋じゃなくて面白い屋。でも、ひとりで考えても分からない。じゃあみんなで考えよう」 というものです。いきなりそう言われても何のことやらさっぱりかと思いますのでもう少し詳しく説明しますね。 『屋入門』をはじめます まず、『屋入門』は屋を学び屋をはじめるための、2014年11月末にスタートして2015年2月に終わる予定の全6回のゼミです。 『屋入門 ~あしたから屋さん~』 http://bookshopseminar.tumblr.com/ 講師陣にはの世界の住人たちを招いて現状について語って頂き、その上で自分たちの思う「面白い屋」をやると

  • 図書館向け電子書籍貸出サービス普及への課題

    11月5日から7日まで、パシフィコ横浜で「第16回図書館総合展」の展示会が開催されました(図書館総合展週間は2日〜8日)。私は6日に行って、一般社団法人電子出版制作・流通協議会(電流協)主催のフォーラム「公共図書館における電子書籍貸出サービスについて」と、展示会場内の取材をしました。以下はそのレポートです。 ポット出版「プラス電書」の試み 電流協のフォーラムでは、11月10日に発売される『電子図書館電子書籍貸出サービス 調査報告2014』(植村八潮 編著、野口武悟 編著、電子出版制作・流通協議会 著/ポット出版)が全員に配布されました。 実はこの、紙版を購入すると電子版が無料で付いてくる「プラス電書」という新サービスに対応しており、帯(内側)に印刷されたクーポンコードを対応電子書店で入力するとダウンロードできます。 同様のサービスには、文教堂の「空飛ぶ棚」(専用アプリ)、三省堂の「デ

  • Book as a Service, サービスとしての電子書籍

    現在、多くの電子書籍事業は「半永久的な貸」の体裁をとっています。でもこのサービスにも販売にもなりきれない形態が、多くの問題や不満を引き起こしている気がします。私は出版、書籍流通、書店のいずれにも属さずその領域の「モノを知らない」ただの読者ですが、私のフィールドであるクラウドコンピューティングの視点から、クラウドサービスの定義に沿った「Book as a Service」という考え方を提案してみます。 自転車操業に見える現在の電子書籍「業」 先月、TSUTAYA.com eBOOKsがサービスを終了すると発表しました。利用者の購入済タイトルはBookLiveが引継ぎ、引き継げないタイトルは購入金額分のT-Pointで補償するとのことです。これまでにも多くの電子書籍サービスが、サービス終了時にはポイント等での補償をしてきました。 でもなぜ補償するのでしょう? 電子書籍事業が「電子書籍を売る(

    Book as a Service, サービスとしての電子書籍
  • ケヴィン・ケリー来日雑感

    米国の雑誌「WIRED」の創刊編集長ケヴィン・ケリーが日を訪問して、2014年10月9日から10月11日にかけていくつか講演をしました。私はそのうち10月10日と11日の講演を聴講する機会を得ましたので、思いつくままにその感想を書いてみます。最初にお断りしておきますが、詳細なイベントレポートではありませんので、その点はご了承ください。 今回のケヴィン・ケリー来日は、今年の6月に『テクニウム』がみすず書房から出版されたことがきっかけです。このは、2010年に刊行された『What Technology Wants』を服部桂さんが翻訳したものです。その出版を記念して、服部さんがケヴィン・ケリーを日に呼んだそうです。 題に入る前に、ケヴィン・ケリーと私のかかわりを簡単に説明しておきましょう。私、堺屋七左衛門は、ケヴィン・ケリーがブログ「The Technium」で発表したエッセイを翻訳して

    tsysoba
    tsysoba 2014/10/20
    「未来のモーツァルトや未来のゴッホがその才能を開花させるために、私たちは新しい技術を発明していく義務がある」。ここまで言い切れるのがすごい。
  • 電子コミックの未来はどこに? « マガジン航[kɔː]

    今年は6月に講談社の月刊マンガ誌「少年ライバル」、秋田書店の老舗青年コミック誌「プレイコミック」が休刊。9月には小学館の月刊マンガ誌「IKKI」、集英社の同じく「ジャンプ改」と大手出版社のマンガ誌で休刊が相次いでいる。いずれも販売部数的には苦戦してきたが、個性的な作品を数多く連載し、それらの単行の売上で雑誌の赤字をカバーしてきた雑誌だ。単行が雑誌の赤字をカバーしきれなくなった、とすれば、マンガ不況を象徴するような事態である。 2014年は紙から電子への転換点 紙のマンガ出版が苦しんでいる一方で、勢いがあるのが電子コミックだ。 2014年8月、NHN PlayArtが運営するスマートフォン向け無料コミック配信サービス「comico」の人気作品『ReLIFE』(作画・宵待草)の単行がアース・スター エンタテイメントから発売され、たちまち10万部を超えて話題になった。電子コミックといえば、

    電子コミックの未来はどこに? « マガジン航[kɔː]
  • 東京国際ブックフェアを見て歩いた4日間

    2014年7月2日から5日まで、東京ビッグサイトで「第21回 東京国際ブックフェア」が行われました。私は、昨年は国際電子出版EXPOを中心に見ていたため3日間しか行かなかったのですが、今年は4日間とも足を運びました。既に寄稿している記事は以下の通り。セミナーレポートばかりです。 ・紙と電子の相互補完──三省堂書店が電子書籍を販売するわけ -INTERNET Watch(2014年7月7日) ・世界ナンバーワン電子図書館システム「OverDrive」の実力 -INTERNET Watch  (2014年7月8日) ・ネット時代におけるリアル書店の活路は「地域性」 -INTERNET Watch(2014年7月10日) 4日間で9回の記者発表とセミナー各1時間を見て、空いた時間にブックフェアと電子出版EXPOの展示内容をチェックして、自分自身も1度登壇し……と、会議棟と西ホールを見て歩いたとい

  • キンドル・アンリミテッド登場は何を意味するか

    米アマゾンが定額読み放題サービス、「キンドル・アンリミテッド」を始めた。OysterやScribdといった他の定額Eブック読み放題サービスも既に始まり、TxtrやBlloonといった、どこの誰がやっているのかわからない同様の新参サービスもできはじめている。 も「定額読み放題サービスが主流」になるのか? デジタル時代に音楽配信がiTunesやMP3ファイルのダウンロードから、PandoraやSpotifyなどに代表されるストリーミングサービスに代わり、映画やTV番組がオンデマンドのケーブルサービスからNetflixGoogle Playなどのストリーミングサービスに代わってきつつあるのを目の当たりにすると、も当然、定額読み放題サービスが主流になっていく、と論じる者がいてもおかしくはない。 だが、当にそうだろうか。 いまのところ、キンドル・アンリミテッドが提供する60万タイトルのうち、

    キンドル・アンリミテッド登場は何を意味するか
  • いま改めて考える、出版社のレゾンデートル

    ── いまこそもう一度、電子出版に真正面から立ち向かうときだと思っています。 7月1日に行われた記者発表会で、株式会社ボイジャー 代表取締役 鎌田純子氏は述懐を込め、このような挨拶をしました。この日、池澤夏樹氏の作品の電子化・販売をボイジャーが手がけることの発表と同時に、電子出版Webサービス「Romancer(ロマンサー)」が一般公開されました。2011年に導入した「BinB」ブラウザビューワが「いつでも誰でも簡単に電子のを読める仕組み」なら、Romancerは「簡単に作る」役割を担っています。池澤氏とのプロジェクトでも使用しているとのことです。 Romancerは、昨年の国際電子出版EXPOの時点でクローズドβ版が公開されていましたが、正式版の公開で何が変わったのか、他社のサービスとは何が違うのか、そしてどのようなビジネスモデルにするのかを私は注目していました。鎌田氏は、ボイジャーが

  • NextPublishingが出版社の未来を変える

    電子出版協会(JEPA)は6月11日、株式会社インプレスR&Dが手がけるデジタル・ファースト出版方式「NextPublishing」の現状についてのセミナーを行いました。講師は代表取締役社長 NextPublishingセンター センター長 井芹昌信氏と、NextPublishingセンター 副センター長 福浦一広氏です。既存の取次・書店流通を使わない新しい出版ビジネスが、いまどの程度まで可能性を広げつつあるのか? という意味で、興味深い内容でした。プレゼン資料はJEPAのセミナー報告ページにあるので、詳細が知りたい方はそちらをご参照下さい。 「伝統的出版(Traditional Publishing)」 とは何が違うのか? 井芹氏によると、一般的な出版のプロセスは、企画、執筆、編集、制作、製造、流通に分解できます。そして、電子出版のイノベーションは、主に製造と流通に起きています。つま

  • 3 インターネットがあれば図書館はいらない?

    グーグルは「パブリック」といえるか 吉:もうひとつ、図書館という場所はオープンであるべきか、という問題もあると思うんです。すごくインターネット的ですけど、一つの考え方として「誰でも入れるような場にしておいて、あまりにひどいようなら排除する」というのがある。もう一つが、入場券があってお金を払った人じゃないと入れない、という考え方。そういう意味では、書店もオープンな場所ですよね。 高橋:長尾さんの文章(『未来の図書館を作るとは』)からも「知のユニバーサル・アクセス」というか、図書館への普遍的なアクセスへの志向性が感じられました。 河村:でもそれは、インターネットがすでに実現してる気がするんです。 高橋:え、そうですか? 私はインターネットは全然オープンじゃないと思いますよ。「玄関」までは入れても、その先に行けないプライベート・リポジトリとか、ネットからはアクセスできないところがいろいろある。

    tsysoba
    tsysoba 2014/06/12
    ISBNと納本が結びついているという都市伝説がどこから出てきたのかをつい考えてしまった。それはさておき、パブリックの話は特に重要な気がする。
  • 2 図書館にとってパブリックとは?

    デジタルならではの「生みの苦しみ」 内沼:さきほどのケヴィン・ケリーの「とは持続して展開される論点やナラティヴである」という定義(※Part 1を参照)は、ウィキペディアで定義されているような「とは冊子である」というのとは別の話で、最初のほうで話題に出た「とは生みの苦しみである」という話に似てる気がします。そもそも生むのが苦しくなかったら、論点とかナラティヴが持続しないと思うんですよ。 ――ただケヴィン・ケリーの言葉だと、紙のかどうかという話は抜きになるんですよね。紙だからこそ「生みの苦しみ」があるとしたら……ああ、こっちも紙か電子かは関係ないのか(笑)。 吉:紙のほうが「生みの苦しみ」がより強制的に……。 内沼:そう、比較的に起こりやすい、というだけの話で(笑)。 河村:それに、紙のほうが手触りや雑誌のレイアウトによって、行間に込められた「苦しみ」が分かりやすいんですよ。デジタ

  • 1 そもそも本ってなんだろう?

    昨年秋、「図書館」や「」にまつわる斬新な仕事をなさっている4人の方々(numabooksの内沼晋太郎さん、達人出版会の高橋征義さん、リブライズの河村奨さん、カーリルの吉龍司さん)にお集まりいただき、座談会を行いました。 この座談会を開催するきっかけとなったのは、2012年に前国立国会図書館長の長尾真さんが発表した「未来の図書館を作るとは」という文章です。館長在任中に「長尾ヴィジョン」という大胆かつ画期的な「未来の図書館」像を提示した長尾さんが、あらためて幅広い論点から図書館の可能性を論じたこのテキストを若い世代はどう受けとめたか、というところからスタートし、率直かつ真摯な議論が行われました(「マガジン航」編集人が入院中だったため、長尾さんがこの文章を発表した経緯にくわしい李明喜さんに司会をお願いしました)。 この「未来の図書館を作るとは」が達人出版会から電子書籍(無償)として刊行される

  • アマゾンは天使でも悪魔でもない

    ……そして意地悪をしているわけでもない。寡占市場のリーダーとしてやるべきことをやっているだけ、だから恐いのだという話。 米アマゾンと大手出版社のアシェット(Hachette Book Group)のあいだでの仕入れ値をめぐって交渉が難航、今月に入ってからアマゾンは、アシェットのをトップページのキャンペーンから外したり、類似書の推薦欄に他社のを表示したり、買おうとすると「入荷は3〜5週間先」という表示になったり、これから出る新刊が予約できなくなったり……という措置に出た。どう見ても露骨なイジメに見えるわな。 とりあえず「七掛け」(もちろん出版社によって率は異なるが)で取次に好きなだけを卸せる日と違って、アメリカではどこの出版社もこうやって書店や量販店を相手に、定期的に卸値のディスカウント率(日で言う「掛け値」)を決めるのだが、アマゾンが出現する前はもう少しのんびりしていた。5年