鼻水、くしゃみ、目のかゆみ――。命にかかわることはないとはいえ、花粉症のさまざまな症状は憂うつでうっとうしいもの。そんな花粉症の症状が、「ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)」という微生物に感染していると、抑えられる可能性があるとの研究結果が報告され、注目を集めている。 これは、2005年10月に兵庫県神戸市で開催された第13回日本消化器関連学会週間という大規模な消化器系の学会で、市立奈良病院消化器科の今村重義氏らの研究グループが発表したもの。ピロリ菌といえば、胃潰瘍(かいよう)を起こす原因として、広く知られている微生物だ。そんな感染症の原因微生物でアレルギーを抑えられるのでは、という内容に高い関心が寄せられた。 ピロリ菌は、独特の酵素を持っていて、胃酸を中和しながら胃の粘膜などにすみつく。発症までのメカニズムにはまだ不明な点が多いが、ピロリ菌が慢性胃炎や胃潰瘍などの主要な原因になること
第21回 ホリエモンは「新自由主義」の申し子だった ~自民党主流派の思想が形となって動き出した怪物~ 経済アナリスト 森永 卓郎氏 2006年3月6日 「ホリエモン」、テレビCMに 子会社のジャック・ホールディングスのCM撮影に臨むライブドアの堀江貴文社長。[ジャック・ホールディングス提供] (写真提供:時事通信社。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うことは禁じられています) 前回も書いたように、私はライブドアの堀江前社長と3回会ったことがある。第1回の出会いで、彼がとてつもなく頭のよいこと、しかしそれと同時に心を許せる友人のいないことが十分に想像できたが、そのことは2回目、3回目と出会いを重ねるごとに確信に変わっていったのである。 彼との2回目の出会いは、2004年12月の暮れ、テレ
グループ会社の取締役4人が新町敏行社長ら代表取締役3人の辞任を要求し、激震が走った日本航空。その同社に対し、国土交通省が随時立ち入り検査を実施することが明らかになった。24日までに実施、その後も続ける。 国交省は昨年、日航の運航トラブルが相次いだ後、数回立ち入り検査し、年末で終了していた。今回も名目上は安全運航の維持確認のためだが、必要に応じて再び随時立ち入り検査するのは極めて異例。国交省は「役員人事に関心はない」(幹部)とするが、現役役員によるクーデター劇という異常事態に、安全面から監視の度合いを強める狙いがある模様。問題は単なる社内の内紛劇にとどまらなくなってきた。 羽根田副社長らが退任へ 「信頼回復と赤字脱却のため間もなく発表する新中期経営計画と新しい経営体制の中で、(中略)CEOとしての決意を明確にしていきます」 2月15日。解任要求が一斉に報道された日、新町社長は「社員の皆さんへ
「工場見学の機会を与えてくれて感謝します。我々は見たことを話しているだけです」――。2月10日(米国時間)、ファクスで届いた日本の民主党からの回答文。そのそっけない内容に、質問状を出した米最大の食肉加工業者タイソン・フーズの民主党への不信感は一気に高まっている。 事の発端は2月2日、民主党のBSE(牛海綿状脳症)問題対策本部の米国調査団が開いた記者会見。「工場は髄液が飛び散っていた。BSEの原因物質が蓄積するとされる特定危険部位の除去が粗っぽい。高圧洗浄しているので大丈夫との説明だったが、完全には洗浄できていない印象を受けた」(山田正彦衆院議員)、「(特定危険部位である)脊髄の神経根の部位が残存しているのを確認した」(岡本充功衆院議員)。日本の米国産牛肉輸入条件である特定危険部位の除去が不十分との報告が相次いだ。 工場視察は30分 これに、視察を受け入れたタイソンが不満をあらわにする。調査
第18回 大手銀行の好決算に隠された金融庁の暴走ぶり ~UFJ銀行の“作られた”経営危機~ 経済アナリスト 森永 卓郎氏 2006年2月13日 テープカットする畔柳頭取ら 三菱東京UFJ銀行発足のセレモニーで、テープカットする(左から)畔柳信雄頭取、三木繁光会長、沖原隆宗副頭取(東京・千代田区の同行本館) (写真提供:時事通信社。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うことは禁じられています) 昨年11月に大手銀行の9月期中間決算が発表された。2005年4月から9月までの半年間の連結最終利益は、三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな、三井トラスト、住友信託の6グループ合計で、1兆7300億円にもなった。これは、前年同期の実に21倍である。 新聞各紙は、三菱UFJの最終利益が7118億円と、ト
クロス・マーケティング(本社:東京都中央区)が2005年12月19日発表したアンケート調査結果によると、「2005年を表す漢字」で「忍」の字が1位になった。不況のほか、政治・経済などに明るい話題がなく「忍耐の年」とした人が多かった。 全国の18〜69歳の男女を対象にしたインターネット調査で有効回答数は2261件。その結果、「忍」が106件で最も多かった。2位以下は、「乱」(75件)、「変」(66件)、「苦」(55件)、「耐」(46件)で、トップ5内に「忍耐」の文字ができた。 理由は、社会の暗い事件や事故が多かったこと、生活に変化があったことなどを挙げる声が多かった。 また、生活や環境の満足度では、日常生活は「とても」と「やや」を合わせて過半数の57.5%が、学業・仕事は35.1%が「満足」だった。 逆に景気は55.6%が「満足していない」で、「満足」は12.5%にとどまった。政治動向でも「
情報セキュリティの現場で起きている『教育不足』(前編) 本当の『専門家』に求められているのは、本質を理解する力 情報セキュリティ大学院大学 中央大学 研究開発機構 内田 勝也 助教授 情報のネットワーク化が急速に進行している現在の日本。しかしその一方で、情報漏えいやデータ破壊といった情報ネットワーク社会を脅かす犯罪が増加しているのも事実だ。果たして今の日本にはどのようなセキュリティ問題があるのか、そしてその問題を解決する方法は存在するのか。今回は情報セキュリティ大学院大学 兼 中央大学 研究開発機構の内田勝也助教授に話を聞いた。 内田: 結論から言ってしまえば、日本には「本当の意味で“セキュリティに関する専門家”が少ない」というのが最も大きな問題です。もちろんWebサイトの構築を仕事にしている人は大勢います。しかし私が言いたいのは、その人たちに本当の「基礎」が備わっているのか
第9回 貧民が増えるほど、挙国一致体制は強化される ~「憲法改正大合唱」の時代だからこそ、憲法9条の原点を見直せ~ 経済アナリスト 森永 卓郎氏 2005年12月5日 雇用求める季節労働者 冬場の雇用確保を訴え、北海道庁の1階ロビーを埋め尽くした季節労働者ら(札幌市中央区) (写真提供:時事通信社。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うことは禁じられています) 第7回目に書いたように、いまや小泉批判のできる評論家は数えるほどになった。テレビを丹念に見るとお分かりだろうが、平日のニュース番組や土日の情報番組から明確な反政府の論調は消えている。総選挙の圧勝と株価の好調さで本来は政府をチェックすべきマスコミもその役割を捨てようとしている。 「週刊アサヒ芸能」(2005年10月27日号)で宮崎学
第8回 「道路特定財源」を一般財源化するだけでは、地方は死に絶える! ~地方のセーフティーネットを同時に考えよ~ 経済アナリスト 森永 卓郎氏 2005年11月29日 内外情勢調査会で講演する石原自民党道路調査会長 内外情勢調査会で講演する石原伸晃自民党道路調査会長(愛知・名古屋市内のホテル) (写真提供:時事通信社。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うことは禁じられています) 去る9月28日、小泉純一郎総理は道路特定財源の見直しを年内に行うと発表した。これまで党内の抵抗にあって頓挫していた課題だが、先の総選挙で与党が圧勝したことから、再び俎上に乗せようというわけだ。 かつては道路特定財源には指1本触れさせないと豪語していた道路族も力を失い、道路族のドンとして権勢を振るっていた自民党道
「いいですよ。いつコロッと逝ったっていい年だからね」 2002年10月31日。当時96歳だった中山素平氏の話の広がりに、失礼は承知のうえで「遺訓と受け止めてもいいですか」と申し出た。その時の冗談めかした返事が、これである。 当時、銀行の不良債権問題には展望が見いだしにくく、日本経済の先行きについても悲観論が主流を占めていた。そこへ、銀行の不良債権比率を2年で半減させるという竹中平蔵金融大臣(当時)の政策が浮上した。戦後の産業再編を手がけた日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)の元頭取にして「財界の鞍馬天狗」とも呼ばれたバンカーが時代をどう見ているのか、話を聞いてみたかった。 伸びた背筋と鋭い眼光 同年代の友人にでも話すような軽やかな語り口はともかく、しゃんと伸ばした背筋、こちらの目をずっと凝視したままの鋭い眼光は、戦後の日本経済が人の形を取れば、こうなるのかと思わせる雰囲気があった
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