著・阿部幸大『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』(光文社) 昨年7月に発売された著書『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』(光文社)は、2024年の1年間を通じて全国の大学生協で最も読まれた一冊となった。 論文の書き方に新たな視点をもたらし、多くの学生や研究者に影響を与えた本書。今回のインタビューでは、執筆の舞台裏や本書に込めた想いを聞いた。 停滞し続ける日本の人文学の状況を変えたいと語る阿部幸大氏 ――『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』が生まれたのは、阿部さんが2020年に公開したブログ記事「アートとしての論文」が公開初日で2万PVを超えるほどの反響があり、その読者の一人だった光文社の編集者・江口さんからオファーがあったんですよね。 阿部:ええ。 ――その書籍化のオファーが届いた際、一般的な文章作成術をテーマにした本を企画としてまず提案され
