水野英子の『ファイヤー!』は、「日本初の本格的なロック漫画」といわれている作品だ(「週刊セブンティーン」1969年1号〜1971年28号連載作)。 【写真】 “元祖・ロック漫画”と言われる『ファイヤー!』の中面を見る 主人公は、純粋な心を持っているがゆえに破滅に向かうしかなかったボーカリストのアロン。そんな彼の熱い歌声と、自由を掴みとるための壮絶な闘いを描いた同作は、技法的にも、内容的にも、のちのロック漫画の“型”の1つを作ったといっていいだろう(じっさい、『DESPERAD』、『BECK』から『ウッドストック』、『ぼっち・ざ・ろっく!』にいたるまで、『ファイヤー!』の後続作品の多くが、ナイーブな少年ないし少女がロックと出合って自分を解き放つ、というものである)。 さて、その伝説的な作品が、先ごろ全2巻の単行本として、文藝春秋より復刻された。そこで今回のインタビューでは、作者である水野氏に