ここは未来の歯医者さんか──。いや、違う。誰も体験したことがない「音と振動と光の感覚」を味わえる、唯一無二の空間だ。五感の拡張に興味がある筆者は早速、毎年恒例のテクノロジーアートの祭典に出向き、共感覚体験装置「Synesthesia X1-2.44」を試してきた。 Media Ambition Tokyo 2019で、共感覚体験装置「Synesthesia X1-2.44」を体験する筆者。黒い椅子は44個の振動子をつなげて作っている。椅子の脇にある丸い装置はスピーカー 椅子のような奇妙な黒い装置の説明は後回しにして、まずは体験者の声を拾ってみたい。「宇宙に放り出された」「神様と交信しているみたい」「死ぬときってこんな感じ?」「赤ちゃんが生まれてくる前はこんなふうなのかも」 人それぞれ感じ方が違う。そこがまず面白い。共通するのは、未知の領域に足を踏み入れてしまったということだろうか。 自分が
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